鈴木修武(おさむ)技術士事務所

新着情報

  • 2024.11.21 食品化学新聞 食品技術士リレーシリーズ964 2024年11月7日記載記事  台湾食品事情あれこれ その3 サトウキビの野生種を探せたか!!   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所) 
  • 2024.11.06 遠州森町 いしだ茶屋 有限会社 石田茶屋 訪問記
  • 2024.06.22 食品化学新聞 食品技術士リレーシリーズ 951 中小食品企業の衰退とネアンデルタールの絶滅と似ているか      技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所)
  • 2024.06.02 食品技術士センターの「ifiaJapann2024」 無料相談員   2024.5.23 
  • 2024.04.06 食品技術士センター 令和6年3月 オンライン講演
  • 2023.12.29 食品技術士センターの令和5年12月のオンライン講義:概要と感想2
  • 2023.12.23 食品技術士センターの令和5年12月のオンライン講義:概要と感想
  • 2023.11.25  食品化学新聞社「食品技術士リレーシリーズ」(2023年11月16日記載) 製販一体と環境を考えた財布にやさしい驚異の業務スーパーとは!!   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所) 
  • 2023.10.05 食品技術士センターの「食品開発展2023」 無料相談員   令和5年10月4日 当番日
  • 2023.09.11 アグロメディカルフーズ研究機構のオイライン講演会 2023年7月3日  京都府立医科大学大学院医学研究科教授 内藤裕二 講師 演題:「健康長寿と腸内細菌叢:Rejuvenationを考える」
  • 2023.06.29 食品技術士センター 令和5年6月 講演 「食品の製造過程における酵素による品質への影響及びその対応」  野村幸弘氏  野村食品技術士事務所 技術士(農業部門 農芸化学)
  • 2023.06.24 食品化学新聞 食品技術士リレーシリーズ 令和5年6月18日記載記事 腸内細菌と食物・健康とは関係があるか!!   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所) 
  • 2023.06.19  食品技術士センター 5月総会記念講演 「腸内細菌とガット・フレイル」    京都府立医科大学生体免疫栄養学講座 教授 内藤 裕二 先生
  • 2023.06.09 FOOMA2023 6日~9日 までビクサイド東館で行われる。コロナ以降で非常な賑わい。
  • 2023.05.18  食品技術士センターの「アイフェアジャパン」 無料相談員   令和5年5月17日
  • 2023.03.26 食品技術士センターの令和5年3月のオンライン講義:概要と感想 その2
  • 2023.03.23 食品技術士センターの令和5年3月のオンライン講義:概要と感想                  近赤外光による食品異物検査 〜 見えない光で見つけだす 〜」       徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所 准教授 山口堅三氏
  • 2023.01.13 食品化学新聞 4/12月08日食品技術士センターリレーシリーズ記載 食べ物の栄養とオートファジーはどんな関係か!!   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所)
  • 2022.10.15 食品技術士センターの「食品開発展」 無料相談員  令和4年10月15日
  • 2022.10.03 食品技術士センターの令和4年9月のオンライン講義:概要と感想
  • 2022.09.17 食品技術士センターの令和4年8月(2)のオンライン講義:概要と感想
  • 2022.09.13 食品技術士センターの令和4年8月のオンライン講義:概要と感想                  「小麦粉・米粉について  熊本製粉株式会社 研究開発部 竹部洋平 ・技術士(農業部門)
  • 2022.08.29 食品化学新聞 4/818食品技術士センターリレーシリーズ記載 三浦大根を見て歴史を感じ食品関連産業の未来を考える!!   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所) 
  • 2022.07.04 食品技術士センターの令和4年6月のオンライン講義:概要と感想 「ゲノム編集技術を応用したGABA高蓄積トマトの開発と今後の展望」筑波大学生物環境系 教授、理工情報生命学術院 学術院長  江面 浩氏
  • 2022.07.02 食品技術士センターの令和4年6月のオンライン講義:概要と感想 食品の用途発明に関する審査基準の改定と機能性表示食品の権利保護 藤井技術士事務所代表 藤井幹夫氏(技術士生物工学部門、工学博士)
  • 2022.04.27 食品技術士センターの令和4年4月のオンライン講義と質疑応答 (その2)概要と感想    TOKAIアクア焼津工場様 オンライン工場見学(担当:片平理事)
  • 2022.04.22 食品技術士センターの令和4年4月のオンライン講義(その1)概要と感想    徳島市の洋菓子関連の㈱イルローザ WEB工場見学。徳島大学コラボ
  • 2022.04.11 食品技術士センターの令和4年3月のオンライン講義(その2)概要と感想 講演2:「超高齢化社会における抗炎症サプリメントの活用 ― フラボノイドとビタミン関 連物質の有効利用―」 東北大学名誉教授、(株)東北アグリサイエンスイノベーション 代表取締役 駒井三千夫氏
  • 2022.04.02 食品技術士センターの令和4年3月のオンライン講義:概要と感想                  「アミノ酸の工業生産を支える分離精製技術」 佐野技術士事務所 代表 佐野千明氏 ・技術士(生物工学部門)
  • 2022.02.18 だれでもどこでもサラダ菜を作って免疫力を高めよう!! 食品化学新聞 2022年2月10日掲載記事
  • 2022.02.16 東京大学がんプロ市民公開講座 担道がん・膵がんの最新情報  早期診断からゲノム医療まで その4    令和4年2月16日
  • 2022.02.07 東京大学がんプロ市民公開講座 担道がん・膵がんの最新情報  早期診断からゲノム医療まで その3 
  • 2022.02.03 東京大学がんプロ市民公開講座 担道がん・膵がんの最新情報  早期診断からゲノム医療まで その2 
  • 2022.01.30 東京大学がんプロ市民公開講座 担道がん・膵がんの最新情報  早期診断からゲノム医療まで 膵癌の早期発見に向けて 東大病院消化器内科 水野 卓先生
  • 2021.12.29 食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想(その2&3)明治大学 中村教授と木崎学生
  • 2021.12.27 食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想(その4) ① 大西 透氏会員 油脂の特性を活かしたベーカリー用マーガリンの開発 
  • 2021.12.25 食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想 演題:酒類の官能評価(その1.)令和3年12月25日
  • 2021.12.17 北海道の魚醤の試食と評価そして感想
  • 2021.12.09 食品技術士センターの11月のオンライン東京海洋大学産学共同講演会の概要と感想
  • 2021.10.17 食品技術士センターの10 月オンライン講演会の概要と感想
  • 2021.09.28 食品技術士センターの9月オンライン講演会の概要と感想
  • 2021.09.08 食品技術士センターのオンライン講演会の概要と感想
  • 2021.08.19 食品化学新聞への投稿
  • 2021.07.21 食品技術士センターのオンライン講演会の概要と感想
  • 2021.07.14 健康オタクになろうかなれないか
  • 2021.06.21 食品技術士センターのオンライン講演会の感想と要旨
  • 2021.06.14 紫キャベツの抽出液のPHによる変化
  • 2021.06.08 簡単なペーパークロマトによるボカシ肥料、グルタミン酸ナトリウム、調味料の定性試験
  • 2021.06.04 食用油・廃油を使った湯を沸かす実験
  • 2021.06.01 ボカシ肥料の作り方
  • 2021.05.30 小型搾油器の紹介です。現在発売中止中。 DIYで簡単に作れます。 メールで頂ければ説明致します。
  • 2021.05.27 昨日、カルガモの親子がいた。そこに赤白のコイが泳いでいたら、カルガモの親は、コイを御払った。親の愛を知った。 母は強しですね・・・・
  • 2021.05.25 栽培作物の近況  畑の状況(インゲン、ミニトマト、キュウリ、たまねぎ等)  ミニトマト、キュウリのさし穂(初挑戦)
  • 2021.05.22 だれでもどこでもサラダ菜 第2回 好評開催
  • 2021.03.18 だれでもどこでもサラダ菜
  • 2021.03.12 食品技術士センター
  • 2021.03.11 食品技術士センターのブログの紹介

台湾食品事情あれこれ その3 サトウキビの野生種を探せたか!!  技術士(農業部門) 鈴木 修武 (

過日、10日間にわたって5度目の訪台をした。調査目的は旗山市の郊外にサトウキビ野生種の生育地域の河川を訪ねること。コロナ前に旗山市の隣街の美濃に行ったときに、この川の周辺にあることを知った。野生種があるのは、自然が保護された環境にやさしい地域とともに、気候的に砂糖の栽培に適しているからだと思った。
1.野生種と砂糖産業の現況はどうか
台南から乗り合いバスで東方に約1時間40分の山間にバナナの産地の旗山市があり、ここを拠点とした。旗山はかって鉄道があり積み出し駅で、砂糖とパイナップル缶詰などの集積地であった。旧駅舎に蒸気機関車と客車が復元されており、客車でコンパニオンの説明とVRを見て、砂糖とパイナップル畑を蒸気機関車が走る映像から昔の盛況を知った。また、残っている旗山の老街は観光スポットであった。事前に情報を得ていけばよかったが計画が悪く、研究所を訪れるのが後になった。民宿のオーナーは日本語ができず、宿泊仲介業者の手違いと私の交渉下手でタクシーをチャアターができなかった。そこで、宿の近くの河川敷で野生種らしき写真を撮った。サトウキビを研究している研究所に行き判定してもらったが、ペニセダム(アフリカ原産イネ科チカラシバ属)であった。紹介先の農研機構の種子島センターの専門家は、訪問時期は秋が良くサトウキビの白い穂で区別できると言う。対応してくれた研究員は黒砂糖と関連商品の商品開発をしており開発談義をした。砂糖関連製品を使った最大のライバルは日本企業である。例えば白黒の砂糖でも日本製品は品質が優れて均一であり商品イメージが良い。また、開発しても台湾人口約2300万人と少なく市場規模がないと嘆いていた。台湾の製糖市場は商業的な規模の工場はなく7年前に閉鎖されたと仲間の砂糖技術士が言っていた。話を聞くと小規模の製糖工場が未精製の黒糖を作っており、その開発をやっている。今年の展示会に日本を訪問するのでまた会うことになった。

2.台湾の戦前戦後に砂糖製造をした背景はなにか。
戦後台湾から引き揚げて来た恩師や知人達が台湾について語っていた。その中で印象に残っているのは砂糖の話題である。父の知人で昔の台湾製糖に勤めていた人の話を父からよく聞いており、送られてきた黒糖を食べてしまい怒られたことを覚えている。いつか台湾を訪問したいと思った。旅行すると戦前戦後の砂糖工場が残っており、その中で旗山と高雄2工場を見学した。気候的には充分、野生種の育種栽培できると考えるのは理に適っている。第4代の台湾総統児玉氏が産業振興には砂糖と思い、新渡戸稲造を殖産部長に任命した。海外に視察調査して明治34年(1901年)に「糖業改良意見書」を提出した。(歴史街道2018.5PHP出版より)サトウキビの品種改良、培養法や灌漑、開墾などの農業施策、製糖振興のための工業的や行政的な施策、技術者の教育的な施策まで総合的に書いている。その結果、約3.5万トン(1901年)約12万トン(1909年)約27万トン(1921年)約100万トン(1935年)と最盛期には全国で約20工場が稼働していた。戦後の1970年代まで台湾では砂糖の輸出が花形であった。

3.台湾の統治の素晴らしい施策があったから砂糖産業が繁栄した。旅行すると親日家が多く、道を尋ねても親切に教えてくれるし同行案内もあり有難かった。歴史を調べると、日本の施策が良かったと考えられる。台湾の歴史は、16世紀まで原住民が暮らしていて、文字の歴史がない。スペインやオランダが一部に入植し、城を建っており、清国も統治した歴史があるがあまり力を入れなかった。日清戦争で日本が統治したが、はじめはあまりうまくいかず、児玉氏から改善がされた。第二次世界大戦に敗戦して、中華民国が中国本土から来て政権を作った。色々と調べて見ると日本時代が一番民衆の支持を得られたと考えられる。その施策は①経済政策(殖産興業)農業分野(ダム建設と水田稲作、サトウキビの栽培と砂糖製造、パイナプル等の缶詰製造等)、金や石炭等採掘と製造②教育制度の導入(小学校から大学まで)③インフラの整備(鉄道、道路、港湾の整備)④公衆衛生と医療体制の育成と整備 など欧米列強と違う施策をして、日本本土の一部、内地の延長と考えていた。それらが成功したと思われる。

明治からの統治下の台湾施策を知って、現在の日本の農業や食品産業に視線をむけると国民にわかる施策がなく、食糧安全保障観点や地球温暖化による国内、諸外国の災害から学び、また、今の耕作放棄地、後継者問題が心配で日本国の将来を危惧している。

 

 

コスモス(大船フラワーセンター)
エノコログサ(舞岡公園)
コスモス(大船フラワーセンター)
キンミズヒキ(舞岡公園)

遠州森町 いしだ茶屋 有限会社 石田茶屋 訪問記

 応対者 代表 石田宏之 会長 石田正信

 訪問日  令和61029日 静岡遠州森町

 概要:遠州森町は、静岡西部の小京都と言われる町で、清水一家の森の石松で有名な町である。次郎柿の原産地でも有名である。横浜でお茶を探していたが、ぴったりするお店がなく、ネットで調べた。私の故郷は静岡の袋井市で、母親の出身が森町で、叔母の近くの店でネットで購入した。品質も良く値段も手ごろであり、最近購入している。流石に本場の茶屋であり一度、訪問したいと思っていた。食品関係の専門家であり、静岡はお茶の生産地であり、お茶の消費動向も取材した。

横浜から新幹線で掛川で天竜浜名湖線に乗り変え、20分くらいで森町病院前から徒歩5分くらいの幹線沿いの本店であった。私は、新製品開発が本業であるが、専門は食用油脂で部外者である。
以前から、コーヒーのドリップフィルターでお茶を入れられないか、濃縮液を販売できないかと思ったが、専門外であまりいい感触でなかった。
最近の売れ筋は、ティーパックで小分けやカラフルな商品が売れているらしい。緑茶のアイスクリームやカキ氷が売れていると言っていた。「次郎柿ワイン」を土産に頂いたので試飲が楽しみである。
専門外のお茶の調査であったが、茶の動向が調べられた。新製品も現場の意見を聞き開発することが重要であると思った。以上

天竜浜名湖線 電車
売れ筋のティーパック
売れ筋の主力茶商品
大人気枡盛り茶 お得な枡で量り売り

食品化学新聞 食品技術士リレーシリーズ 951

中小食品企業の衰退とネアンデルタールの絶滅と似ているか  

   技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所) 

両者が似ているかは、個々の企業により違うが衰退または倒産の防止には外部の力が必要である。「絶滅の人類史」(更科功・NHK出版新書)や「ヒトとイヌがネアンデルタール人(以下ネアン人と略)を絶滅させた」(著パット・シップマン、訳柴田氏・原書房)を読んで日本の食品企業の現状を考えた。中小の食品企業は著しい衰退があるが、その原因はなにか。多分、生き残っている食品企業は、なにか特徴があるのと外部のパートナーがいる。それはヒトとイヌの関係に似ていると言える。ホモサピエンス(以下ホモ人と略)とネアン人はある時代を共存していた。

1.ネアン人とホモ人の食糧確保と生活はどんなことか

ネアン人は言葉が喋れて、石器も火も使い、家族単位の小人数で生活していた。ホモ人は同じように言葉、道具、火などを使っていたが、大きな違いが家族単位より大きな集団で暮らしていたこと。ホモ人は今も地球上に生存している。その違いはなにか。家族単位と集団単位であるに加え、ホモ人は新製品開発力がある。石器の発達能力はすごく、それは付け替え刃のできる細石刃やヤリに着けた投槍器などに表れている。オーストラリアのアボリジニ(ホモ人)は、ブーメランを用いて食糧確保をしている。マンモス展(日本科学未来館)では、1.2万年前のイヌのミイラが展示されていた。イヌを使うことにより狩りが容易にできる。約4000年間、両者が共存したが、ネアン人は段々と食糧確保が難しくなり、スペインの端で絶滅した。絶滅の原因はなにか。仮説として、・寒冷な環境の変化・ホモ人が殺した。・ホモ人が子沢山で繁栄して負けた・集団的な情報収集能力で負けた。以上のことからネアン人は、恐らく、情報収集能力と新製品開発力で劣り、78敗でジリ貧になり絶滅したと思われる。

2.中小企業はどうすれば、生き残れるか。パートナー(例えば、技術士)の必要性? 

この20年くらい身近な市場を見ていると倒産や閉店が多い。しかし、スーパーやコンビニなどに行って昔関係した会社の商品に会うとうれしい。米菓の〇〇製品、△△製品、揚げ玉の○○などで特徴のあるロングセラー商品である。独自開発した商品もあるが、外部の知恵を借りた製品が多い。技術士や専門家などの外部の力である。これは上の例の人間とイヌの関係に似ていないか。筆者の専門分野では、同じ油の使い方でも、天ぷら、フライ、カラ揚げにより使い方が違う。ポテトチップでは真空フライヤーを使うと良いし、揚げ米菓では回転率を良くすることが必要である。炒め物では、野菜炒めと焼きそば、チャーハン炒め、焼き肉炒めについて言えば、機械、炒め温度や油も違う。ドレッシング類は、種類が多く、処方箋の作成には苦労したし、油も吟味しないと酸化も違うので賞味期限に直結する。

機械メーカーの顧問をしていたときに、食品業界を知っていた筆者は、原材料の使い方や特性、工場などの現場事情や業種別の個別事情や食品別の衛生管理を助言したことを思い出した。食品業界は、業界別に特殊な事情がある。例えば、水産業界のわかめ製造では、わかめの攪拌においてはまとまりつきや塩による機械損傷も考慮を要する。キムチの攪拌では、人手による作業は、攪拌による体力がいるので撹拌機のニーズがあり、しかも粘り着くような攪拌の解決と目配り知恵に必要であった。ジャガイモサラダは、ジャガイモを崩さずに攪拌する。ふりかけは、塩や調味料と海苔は比重さがあり攪拌は難しいことから粉粉混合は短時間に攪拌すると良い。食品の業種にも多種多様な素材あり、それぞれ別のノウハウが必要となる。

2023年のifia/HFE JAPANで無料相談をした。同僚のF氏とある企業の若い研究者の相談に乗った。〇〇物質をイモ類から抽出して機能性食品を製品化できないかという。カラムの選定からシリカの選定やその価格など製造条件は容易に助言でき、機能性食品の申請方法など助言もできたが・・。技術的な側面より経済的な側面を考えていなかった。私も若い時は同じであった。開発に数回失敗するとむしろ技術よりも市場性やライバル品、顧客のニーズにあうか。売れるか売れないかを同時に考慮するが大事である。上記のテーマであるが、この業界は国内より海外が競争になる場合が多い。中国などから安い製品がでれば瞬く間に製造中止になりかねない。また、このテーマが社長ルートか課長ルートによって予算の獲得ができるか左右する。商品開発には、技術的な側面と経済的な側面を俯瞰する心得が大切であると助言した。

 

食品技術士センターの「ifiaJapann2024」 無料相談員

令和6年5月23日 当番日 令和6年5月22日~5月24日

東京ビックサイト南ホールで開催食品技術士センターの「ifiaJapann2024」 無料相談員

 食品技術士センターの仲間9人と1日三人で3日無料技術相談を行った。当番日は、5月23日で、E氏、Y氏と私で行った。

 内容は詳細には紹介できないが、こんな相談であった。

一番多かった相談は、技術士の試験をしたいがどうすればよいか

説明は5~6件あった。キャリアーアップには良いですが・・・

技術士を知らない人もいた。普及度はいまいちか

 

★静岡県立大学 教授がJABEEの指導をしているとのこと。

  学生に勧めているが自分が取得していない。

  大学も差別化の時代で、技術士ターゲット

  文部科学省もJABEEの審査取得学校であると一定のレベルである。国内では東京海洋大学、明治大学、長崎大学数校しかない受験したいが時間的な余裕がない。 コラボの打診をする予定。

 

興味のある人は、日本技術士会のHPでご覧くださいませんか。

 技術士は、21部門の技術部門で、高度な専門的な応用能力を必要とする

 事項の計画・設計、評価などをする業務分野で活動する。技術部門では最高の資格である。

2.個別の相談

・〇〇製薬は、油の酸化の測定の相談。私が開発したAVセットを紹介した。

・○○製薬は、HACCPを取得しているが、FSSC22000を考えている。澱粉の専門家を探している。

・○○園は、抹茶の粉末を販売している。最近は飲む以外に食べる抹茶が増えている。海外にも輸出している。ハチミツと抹茶の液状のサンプルを頂いた。パンに付けて食べているがおいしい。以上

展示会看板
無料相談ブース
本人
本人著者本と開発商品AVチェカー

食品技術士センター 令和6年3月 オンライン講演  概要と乾燥

「新潟県農業総合研究所食品研究センターの食品産業への技術支援について」 

新潟県農業総合研究所食品研究センター 

主任研究員 小林和也/技術士(生物工学部門)

講演内容

・新潟県における食品産業等の概要 新潟県農業総合研究所の紹介

・食品研究センターの技術開発事例 開発技術の普及に向けた取組

・にいがたフードテック研究会での活動 ・総括

経歴  省略 2023年3月 技術士(生物工学部門)登録

納豆菌、麹菌、乳酸菌、酵母 ・・・フードテック   お酒以外は大体なんでもやります

食品産業は、新潟県の主要産業である。・・・・製造品出荷額等4丁7533億円

  食品等  18.6%   従業員 19.6%   重要な産業      
           (令和3年経済センサス)

  従業員 30人未満 小規模事業所 約7割  製造出荷額  約2割もない

・食品産業のイノベ―ベーション  アンケート調査 細部省略

  コストダウン、工程改善、販路拡大 商品開発 商品改良 営業力強化 衛生管理の強化 流通改善 新しい製造技術の開発・導入 販路拡大(海外) 産官学の連携

 赤字の部門が私の担当   あまり関心がないか

 ・収益向上にも関心がない

新潟県農業総合研究所・・・省略  農業総務部 政策室にも勤務

新潟県農業総合研究所のミッション・・・農業算出額等2770億円 (2024年度)

令和5年度 上記研究所の試験研究の取り組み   赤印担当者の仕事の範囲

   県産農産物の競争力強化 ・・品種改良 フードテック研究

   生産現場の抱える問題の解決・・・・・水稲、園芸、畜産及
                     び食品産業の振興

   持続可能な農業・食品産業 ・・・・カーボンニュートラル 
                     化学肥料・農薬低減

                     スマート農業技術

食品研究センターの主要な研究成果⇒企業との連携が欠かせない

 米粉・米粉パン、無菌包装米飯 魚醤油、無塩味噌、米由来のしょうゆ、「ル レクチェ」、笹団子、無菌包装餅、マイタケ、乳酸発酵甘酒、介護食品、柿渋麺

紹介する3事例

  事例1.無塩大豆発酵食品(無塩みそ)⇒食塩を代替する微生物制御技術の確立

   特許第5919457号 新潟県・石山味噌醤油(株)

  味噌の無塩化・・・・用途拡大 様々な食品に添加 非耐塩微
                       生物の利用

            健康志向 厳密な塩分調整可能

  既存技術と課題(研究当時の水準)  多数あり省略

  • みそ製造業者に採用できる技術 ②みそらしい風味再現 ③無塩の環境で腐造を防止する

   課題の解決策(開発した技術)

   米味噌の製造法 発酵熟成 から単行複発酵に

 上市した製品紹介 塩分ゼロ 石山味噌醤油(株)から製造・販売している

   ・厳密な減塩生活への利用(腎臓病患者向け)

   ・みそ風味のお菓子の原料    等に販売されている。

  事例2.大豆・小麦を使わないしょうゆ⇒大豆・小麦を代替する着色成分の供給

特許第6967244号 新潟県・山崎醸造(株)

   既存技術と課題(研究当時の水準) 

     開発技術  米麹+酒粕 ペントースの乏しい系での着色の実現が技術的な課題

  課題の解決策(開発した技術)

     提案した改良 ・・・・褐変した原料を加える 再仕込みしょうゆの技術の転用

上市した製品紹介・・・山崎醸造(株)からから製造・販売している

  ・通販を中心  ・仕込み量が少ないので、品薄傾向  

事例3.米マヨネーズ⇒卵を代替する乳化素材の選定

   現在、上市に向けて技術支援中 

 全て米由来の素材から製造すれば、特定原材料等を含まないのでアレルゲンフリーに   

   技術的な課題の抽出・・・・・米由来の乳化素材

課題の解決策(開発した技術)

  発酵食品には乳化力がある

 米マヨネーズには、来年度中の販売に向けて支援中  事例終了

 研究成果の普及も研究員の仕事

  ・企業への情報発信は難しい・・・県の研究成果情報 特許出願 展示会等しても効果が上がらない

 ・さらに、県内食品産業の状況も変容・・・以前は企業がまとまって課題を克服から個別に対応して支援になった。時代は変わった

  県内企業との連携を狙った事業の紹介

 新潟県食品加工技術研究会 にいがたフードテック研究会で行う。

  事業のねらい・・・産学官連携の拠点づくり・・・セミナー開催を通じて情報提供

   分科会活動・・・ブラントベースフード/代替え食・・・米
           を用いた乳化素材

         ・食品のアップサイクル ・微生物利用・発酵

   組織   ・・・会員数は37団体(52名)・・・・大学、
                 企業および官公庁が参加

 まとめ

・新潟県 食品産業が製造業で最も出荷額が多い 中小・零細企業の生産性は低い

・しかし、事業者はコストダウン志向が強く、新しい技術の導入による付加価値向上に対する機運が低い

・当センターは研究成果が企業に活用されることが使命であるため、企業との連携が 欠かせない

・演者が取り組んできた業務でも共同研究開発した技術は速やかに企業が活用している。また、これらの業務では、原料の変更により損なわれる機能を補うノウハウが活用されてきた

・現在から企業と連携できる体制づくりを進めている。

感想:かなり良く整備されているが、新潟県の食品産業自体が衰退していると思われるがどう克服するか課題が大きい。また、米を含む価格が下落しており新潟県の所得の総額が減少をどう克服するか 新潟県や国で解決する課題であろうか。以

食品技術士センターの令和5年12月のオンライン講義:概要と感想2

 アクアファバ( 豆の煮汁)メレンゲを用いた

      プラントベースマカロンの試作・評価

 明治大学 農学部 農芸化学科 食品工学研究室 高橋佑香

 序論 プラントベースとアクアファバ(Aquafaba,AQ

   健康・経済・環境により植物性代替え品(Plant-based food)へ移行がある。その背景には動物愛護、アレルギーや動物性食品に消費低下がある。その中で、特にマメ科植物、豆類が低アレルゲン、持続生産可能、低価格大量生産により栄養や機能特性を求めて注目され上昇している。
 アクアファバが2014年に発見され18年に初査読付論文が出ている。
・缶詰や乾燥豆を茹でて煮豆つくるときにでる調理水に注目した。

 起泡性、乳化性、凝固性があり、卵の植物性代替えの素材、クリーン    ラベルレオロジー素材、廃液を利用できるためにフードロスを削除できる。しかし、アクアファバの起泡性に関して、具体的な食品に代替えした報告が少なく、食品中での挙動はあきらかでない。実験にもちいられる豆の種類は限られている。

・使用原料は、ひよこ豆、大豆、小豆、レンズ豆など9種類を用いてアクアファバ( 豆の煮汁)を調整し、マカロンを作成した。 アクアファバマカロンを作り、空隙率と大きさを比較した。    卵白よりアクアファバの各種空隙率が大きかった。
・卵白、ひよこ豆、大豆を用いて 官能評価、物性測定、構造観察
・官能評価・・・外観⇒順位法、食感⇒一対比較法を用いた。
・物性測定・・・コック破断強度測定・ペースト動的粘弾性測定
・構造観察・・・走査型電子顕微鏡観察・実体顕微鏡観察
・結論 卵白は、見た目では、均一性や嗜好性が良く、ひよこ豆は、両特性が劣った。食感は、卵白はサクサク感があり、ひよこ豆は、ペーストなめらかで飲み込みやすい。物性は卵白がありひよこは劣った。構造は卵白は空隙率低く、気泡小さく、孔も少なかった。ひよこはこの逆であった。
 ⇒プラントベースでマカロンらしい おいしさ再現できる可能性示した。
 筆者感想:卵白の代替えを考えるよりも豆類の利点を出して、商品化することが大切か 代替えは代替えしかない。(文責鈴木修武) 

 各種植物性ミルクを原料としたクリーンラベルのプラントベースヨーグルトの試作評価
 明治大学 農学部 食品工学研究室  修士1年 齊藤朱里

序論 クリーンラベルは、法的に明確な定義がない

  オーガニック、ナチュラル、自然的な製造方法 食品添加物を

                        含まない製品 Ingredion 2014

        健康 環境 SDGs  欧米を中心に広く浸透

プラントベース 動物性原料でなく、植物性原料を使用してつくられた食品  近年急速に伸びている 

   環境 動物福祉 健康 宗教 食糧危機 市場の拡大

課題・風味・見た目・食感の差異  おいしさに改善の余地 あり

 ・プラントベースフード(以下プラフード略)のおいしさデザインをする
 フード咀嚼破壊による変化とターゲットとした動物性食品との差異の明確化をする。 類似商品の咀嚼破壊の再現を通じて、物性や構造を介して、らしいおいしさ(食感・風味・見た目)と探る 

・プラントベースフースヨーグルト(2022年食料工にて発表)

 市販品 牛乳1種 プラベース 9種 計 10種類で試験した。
 原料ごとの異なる感性食感特徴が分かった・・・
    乳ヨ―グルトらしい食感では「硬さ」重要な要素の一つ。

 ・本研究の目的

 クリーンラベル、且つセットタイプ牛乳原料ヨーグルトらしい食感を持つ
 プラントベースフースヨーグルトの実現を目指した試作条件を検討

 1.11種類の植物性ミルクでの乳酸発酵試作によりゲル形成や風味の可否を評価すること。
 2. 食品添加物の使用に代わる試作条件の検討により、ゲル形成や硬さに着目した評価をすること。
   結論として、上記を可能性を示すことができた。

  感想:色々な機器を使い実験しており、研究としては深くやっております。さらなる研究の発展を望む。

   食品企業における官能評価

      横山技術士事務所    横山勉

    元ヒゲタ醤油(株)品質保証室長であり、経験をもとにして方法を紹介した。詳しくは省略。 

 本格焼酎・泡盛のフレーバーとミクソロジー

  日本酒造組合中央会 理事 技術士(農業部門) 宇都宮 仁  

  本格焼酎・泡盛とは   省略

 蒸留方法 単式蒸留 常圧蒸留・・・重厚で複雑な香味と減圧蒸留・・・華やかな軽快な香味はできる。

 焼酎の特性・・・本格焼酎・泡盛は、香りや味的には「原料の特徴を感じる(残した)蒸留酒で樽等の個性の強くないもの」と言える。また、原料とともに焼酎の個性には蒸留方法が大きく影響する

・スタンダードカクテルとミクソロジー

  スタンダード/クラシック・・・基本のカクテル、型が存在、自家製材料をつかわない

 ・ミクソロジー

     -既存のレシピにこだわらないカクテル

     -自家製材料 

   これらを踏まえて面白いカクテルが出来ている。
  本格焼酎・泡盛カクテルコンペティション第2回優勝カクテル

     BAR 倉吉 坂本氏
 色々な焼酎を使って、ガーニッシュ:ブラックオリーブ、銀紛スプレー
  グレープフルーツビールで混合してカクテルを作る。

 ・・ふわりふわりと降り積む雪。夜空に輝く冬の月が照らす光。このカクテルを片手に雪の大地を眺めながら・・・ 

  本格焼酎・泡盛カクテルコンペティション第3回優勝カクテル   
    蔵の士魂 以下省略
     ガーニッシュ:マラスキーノチェリー(緑)、オレンジビール、レモンビール作り手の気持ちと國酒の魅力を伝える我々は世界へ焼酎を導く情熱の架け橋。道を信じて進め、開けない夜は無い、または笑顔で乾杯ができる日々を

 感想:酒があまり好きではないが、一度飲みたい気持ちになった。(文責鈴木修武)     

シシウド(尾瀬が沼)
チングルマ(尾瀬が沼)
サワキキョウ(尾瀬が沼)

食品技術士センターの令和5年12月のオンライン講義:概要と感想

「おいしい」食感デザイン ~官能評価・物性測定・構造観察~

 明治大学農学部 農芸化学科 食品工学研究室 中村 卓 教授

 

・はじめに おいしさは脳のなかにある

食品構造工学の概念図・・・おいしさを食品構造から追及

食品成分は、タンパク質、多糖類、油脂の多成分である。加工すると不均一な食品構造になる。咀嚼すると食感発現や風味放出の変化をする。
これらを官能評価、成分定量して、視覚化・数値化する。

食品構造の制御により、おいしさをデザインすることができないか研究中

 おいしさは咀嚼による食品構造の破壊を伴う。・・・風味・食感の変化の中にある。・・・・・人間はおいしさは、脳で合成していると思われる。

・求められる食品属性:安全・健康・おいしさ・価格

健康:機能性食品として分子生物学の発達でメカニズムが分かった

おいしさ:食品 脳科学・認知心理学のメカニズムの解明する

おいしさは親近性で馴染みのあるもの例えばお袋の味・ホットする

新奇性は、変化・複雑で刺激され、おいしさとしてワクワクさせる。

要因として、人間サイドでは空腹生理・心理(楽)・社会(文化)

食品サイドでは風味(味・香り)・食感がある。・・五感で味わう

・感覚の種類・・・特殊感覚・・・視覚、聴覚、味覚、嗅覚

           体性感覚・・・触覚 機械的な刺激 触感

・感覚の符号化・・・意識的な知覚は物理的性質と質的に異なっている。

・・・我々が知覚するものは、刺激そのものとそれが呼び起こす記憶とが組み合わさったもの テンプレートマッチング:パターン認識

トップタウン

・認知科学・・・情報理論を柱にヒトあるいは機械の持つ知の働きを学際的に研究  脳機能と全体性

・おいしさ:食品⇒五感⇒脳の中にある

  おいしさ 何だと思って食べるか?

視覚・・見た目、味覚・・生得的、嗅覚・・香り    聴覚・触覚・・・食感

・食感テクスチャー(食感)とは  定義省略

   食感⇒食品を食べた時の物理的な感覚

・食感の分類 知覚レベル(物理的) 

         認知レベル(感性的)

   開発目標: おいしさの感性表現:オノマトペ・口どけが良い

・食感の日本語の特徴 2003年調査 早川ら

 445語と多い 内7割が擬音語。擬態語 フランス語226語、英語77

  粘り気の表現 70語 ねばねば ねっとり ねちゃねちゃ

  弾力の表現  63語 ぷりぷり ぷるぷる ぷるん

  ・分析的な官能評価方法

       部位 質 強度・・人が評価 時間的な

       優勢感覚の時系列変化 経時的な優位感覚

 ・口どけ対象食品の分類&とけるの種類

    結晶性     含気泡・低水分     ゲル状       ゾル状

  チョコレート  パン シホンケーキ プリン ヨーグルト    ソース

   アイスクリーム バウンドケーキ クリームチーズ  フラワーペースト

  時間軸     力学特性     構造状態    口腔内

 

    官能評価⇒  口どけの良い    ⇐ 人工唾液中 機器分析

              解 溶 融 無

  感想:対象食品により口どけが違う。とける種類が違う 機器測定する

・口どけ食感の2次元食感マップ

  感想:食品により 解 溶 融 無に違う

  ヒトそれぞれ おいしさ食感 感性おいしさの表現 口どけが良い

  ⇒知覚要素 変化  何をどのタイミングで重要視するか

・食品構造工学:おいしさを食品構造から追及

 おいしさをデザインする 工学(ものづくり) 脳科学(ことづくり)

     見える化

 原料装置⇒   食品構造  ⇒   おいしさ 感性表現

 

    メカニズムの解明 ⇒ 成分定量 構造観察 物性測定

  効率的な食品製造    おいしい食品開発

感想:おいしさを食品構造から官能評価・構造観察・機械測定から

  解明しようと研究されている。大変勉強になりました。(文責鈴木)以上

 

 

 

キツネノカミソリ(舞岡公園)
西洋オダマキ(自宅庭)
イワカガミ(尾瀬)

 食品化学新聞社「食品技術士リレーシリーズ」(2023年11月16日記載) 製販一体と環境を考えた

30年前、現役で揚げ物の実験をしていたときに、てんぷらの材料の海老やコロッケ、から揚げの鶏肉などの大量食材が必要であった。既存の大手スーパーは値段が高く、職場近くの他の業務用問屋を探して買い物に行った。退職後に緑色の看板に白色の文字の業務スーパーが近くにでき買い物にいった。

  1. 驚異の業務スーパーは、どんなスーパーか

会社のHPやテレビ東京によれば、業務スーパーは創業者が三越のバイヤーで、その後、神戸物産を1985年設立して2000年から業務スーパーを展開している。現在、連結売上3400億円(202212月)で、加盟店の経営ノウハウの指導や助言・海外での商品開発や自社購入、国内自社工場での商品開発を行っている。加盟店への供給・再生可能エネルギーを活用した発電所の運営があり、注目するのは 後の2つである。具体的に述べたい。

国内の食品加工工場を25拠点所有し自社製造だからこそ可能な品質と価格、ユニークな商品ができる。

 業務スーパーでは、マカロニのサラダ総菜や焼き鳥12kg、ドレッシングが1kgで大きく安かった印象がある。23回試し買いし、業務用だけあって少し大きな商品があるが吟味すれば家庭用に利用できると考えた。米、レトルト製品、調味料、菓子など買った。その中で、地方の製造業社で流通・販売量の少ない醤油、本みりん、酢なども売っていた。食品の専門家で品質を官能試験で吟味し、品質に大差がなく購入している。例えば、醤油:1業務(税込み以下同じ)158円、大手スーパー(以下大手)NBブランド257/生協299円。本みりん:業務327/ℓ。大手348/生協269円。酢:業務152/ℓ。大手238/生協135円。米菓(同じ袋業務227円、大手300円)。冷凍食品は得意でダンボール1箱が入る設計になっており、アイス棒:業務267/5本、大手300/5本で、やはり財布にやさしい店舗の1例である。
 2. 倒産や廃業した中小製造会社を再生してPB商品を作る・・ 30年前の現役の頃、米菓、豆腐・油揚げ、製麺業界に、技術指導や援助を行っていた。当時、これらの業界は需要量が微減かつ大手寡占で、中小製造業は、販売不振、品質問題や工場幹部の死去などさまざまな要因で、倒産や廃業が多かった。いつも心を痛めたのは、雇用問題である。関係した従業員の顔が浮かんだ。業務スーパーの注目したのは、製販一体で地方の倒産企業の再生である。その企業の人材育成、活用や製造設備などを利用して新しいPB商品を作って企業を再生する。一例として宮城製粉を挙げる。この会社は、製菓材料や菓子などを製造販売していた。「豆乳花」がヒットして業績を上げたが、ブームが一巡して売り上げの低迷やライバル商品の登場、設備投資による債務超過になり民事再生法の適用になった。その後、神戸物産の支援により、使える設備を利用してオリジナル商品(レトルトカレーやじっくり煮込んだチルド総菜、冷凍とろろなど)を作った。「おとなの大盛カレー」のルーに、ジャガイモや肉類を入れるとおいしいカレーができると知人も利用している。この商品は、加熱混合装置とレトルト殺菌装置を使ったヒット商品になった。設備も雇用も利用して、倒産時約24億円(従業員100名)の売り上げが、再生後約60億円(2402021年)になり従業員も増えて成功例したである。
3.再生可能エネルギーを活用した発電所の運営と地域活性化
町おこしエネルギーは、熊本県小国町で地熱事業を手掛ける。創業者が息子に業務スーパーを任せこの事業に進出した。住民の反対で約30年塩漬けした案件だったが、地元温泉組合事業を再生し、周りの地域も入れた。時代が変わり、エネルギーや食糧の高騰により地熱を利用した地熱発電をし、法人税を地元に還元した。農産は、熱水を利用しエコ栽培で空心菜、南国フルーツを栽培し業務スーパーで売る。水産は、バナメイエビの完全養殖で、海老の交配からふ化、養殖育成、販売を一貫して行う。このエビは、雑食性で植物性たんぱく分解酵素を持っていることから、大豆、小麦などのたんぱくを使って養殖することができる。植物性で養鶏飼料を使うことで養殖コストに大きく差がでる。これらは、2章のPBの再生と同様に地元の再生と雇用に貢献できる。将来はさらに発電を増やし、業務スーパーのエネルギー自給も考えるとともに農産、水産や遊休地で馬の放牧させる畜産も考えている壮大な計画である。雇用とエネルギー問題、製造業の活性化は、地域の活性化の良い例である。

 

 

イワチドリ(横浜自宅)4月
マムシグサ(舞岡公園)4月
若葉(舞岡公園4月)

「食品開発展2023」 無料相談員   令和5年10月4日 当番日

「食品開発展2023」  令和5104日~106日  東京ビックサイトで開催

 食品技術士センターの仲間9人と1日三人で3日無料技術相談を行った。

 当番日は、104日で、A氏、Y氏と私で行った。

 内容は詳細には紹介できないが、こんな相談であった。 

  1. 一番多かった相談は、技術士の試験をしたいがどうすればよいか

説明は56件あった。キャリアーアップには良いですが・・・

技術士を知らない人もいた。普及度はいまいちか

これは今年5月行った「アイフェア・ジャパン」と同じであった。

興味のある人は、日本技術士会のHPでご覧くださいませんか。

合格の早道は、先生探しである。

 技術士は、21部門の技術部門で、高度な専門的な応用能力を必要とする

 事項の計画・設計、評価などをする業務分野で活動する。技術部門では最高の資格である。

2.個別の相談

・〇〇会社は、副生するココナッツオイルを食用として販売したいので、注意点はなにか。オイルは鮮度が大切で現地の状況が重要である。収穫後速やかに製造する必要がある。製造後も官能試験が必要で、日本に輸入しても製品は酸化されるので速やかな販売が求められる。他に工業用の用途もあるので、コストを考えて事業を展開する必要がある。

・〇〇から機能性食品の原料を輸入販売したいが、その工場と販売先での問題点はなにか。詳細を詰めて再度相談する。

・〇〇商社から食用油を発酵させて、香料を抽出したいのでどうすれば良いか

具体的に計画を出来たらら再度相談に乗ります。

・食品添加物の定義と具体的な〇〇は、食品添加物になるか最終的には保健所に相談してほしい。

・大豆から〇〇成分を抽出し、日本で販売したい。明日、専門家が居るので

直接相談すると良いのではないか。明日再度きます。

コロナ明けで、相談員と来場者が増えような感じであった。

同じ展示会柴田科学のブースで私が開発した酸化度測定器(シンプルパック)とPOV(過酸化物価)測定紙が展示されていた。50年間売れている長寿商品である。

以上

当日、無料相談 風景
展示会 ブース付近
柴田科学 50年売れている長寿商品と撮影
柴田科学のブース

 京都府立医科大学大学院医学研究科教授 内藤裕二 講師 演題:「健康長寿と腸内細菌叢:Rejuven

 

 京丹後長寿研究から見えてきた健康-腸内細菌-食相関

 

★対象と方法 ~長寿コトホース研究から見えてきた腸内細菌と食

 ・・・京丹後多目的コトホース研究のスターと情報 65歳以上 798名

・・・3000項目の生体情報

・・・165rRNAアンプリコンシーケンスによる腸内細菌叢情報

・・・簡易型自記式食事歴法質問集による食事摂取評価

Q1. 京丹後の住民は健康長寿か 

女性 97.57歳世界1位 男性 81.47歳 3位

滋賀県 平均寿命と健康寿命

  女性  88.26歳  84.61歳  男性  82.73歳  81.07歳

 

最近は、Happiness  より   Well-beinng(幸福、健康、)

  1位フィンランド 2位デンマーク        47位 日本 クロアチア・・・

★京丹後多目的ホコート研究を開始(2017年~)

   人口10万人高齢者の割合  全国 53.4 京都 65.6 京丹後 159.8

★主要な生体情報

   ・・・糖尿病の疑い 1.8% 低い ・・動脈硬化のの疑い  33.1%

   ・・・認知症の疑い 7.5低い   ・・サルコペニアの疑い 17.1%低い

★フレイルの主なチェック項目

   ・体重減少 握力弱い 疲労感がある 歩くのが遅い 運動習慣がない

★フレイルインデクス  ・・・798人   15.1%と低い

Q1 京丹後の住民は健康寿命か  以上の結果より比較的な健康高齢者である

Q2 歴年齢を予測するバイオマーカーは、?

  1972年~1973年にニュージランドで調査 生物学的な老化スピード

    Pace of Aging(POA)    0.40~2.44  から大きな幅

    1.5~2.0以上の人 ①遅い歩行速度 ②弱い握力 ③低いバランス感覚 ④視力・聴力の低下 ⑤外見が老けた人など

  歴年齢 と生物学的な年齢  違う  

筆者感想:見た目でその人の寿命がわかるとは驚きである

 ★測定法の開発と治療と予防法

   食・運動・こころへの介入? ・・・運動・筋骨格

            ・・・健康な食 地中海食、日本食、抗炎症食

            ・・・薬剤・機能性食因子 ポリフェノール類、ワクチンなど

★歴年齢と相関する握力、脚伸展筋力、脚屈曲筋力、歩行速度、フレイルイ

ンデックス

★予測年齢  老い群 5歳以上高齢と推定

          若い群5歳以上若いと推定

★腸内細菌叢多様性と死亡率    正の相関がある。 ・・・研究中

  PC3 常在細菌叢の腸内細菌科による影響が大きい

 

Q2  歴年齢を予測するバイオマーカーは、

   予測因子  握力 聴力 下肢筋力、歩行速度、フレイルスコア 短鎖脂肪酸(酪酸)産生菌

Q3  フレイルと関連する腸内細菌叢は、? ・・・多様性が必要

Q4  腸内細菌叢と食との関連は?

   分析結果  ・・・米、みそ汁、海藻、漬物、緑黄野菜、魚介類、緑茶、豆、果物、キノコ、コーヒー 豚肉・牛肉(-1)  ・・・・豆が良く、肉は-1

  Frailty indexと日本食は負の相関があり、腸内細菌叢との相関解析では、豆類摂取と肉・ハム類の制限が推奨される

 

  京丹後長寿コホート研究開始

  •  百歳者率が高いだけでなく、健康度が高い
  •  握力、歩行速度、酪酸産生菌が暦年齢の予測因子
  •  フレイルインデックスと特定の腸内細菌と相関があること
  •  日本食がたかいほどフレイルインデックスが低く、腸内細菌との相関、特に豆類の付与が大きい

  

 筆者感想: 長寿の研究開始。日本食が良く、細菌も相関し

     豆類の摂取が推奨される。 本当だ (文責 鈴木修武)

ゴゼンタチバナ(北海道)
ホウチャクソウ(舞岡公園・横浜)
イワチドリ(横浜自宅)

食品技術士センター 令和5年6月 講演「食品の製造過程における酵素による品質への影響及びその対応」 

略歴 ・・・1970年ハウス食品 研究所 入社  2011年上記事務所 開設 他は省略
主な研究経歴・・・ 1.豆乳粉末・・青臭みの発生抑制の研究  2.インスタントラーメン・・・油脂の酸化安定性 3.前記製品の劣化臭の原因究明とその防止 4.フラインング時における油脂(主にリン脂質)の酸化劣化の防止 5.酢酸菌を利用した不快臭の低減華.6.アミノカルボニル反応による食品の着色化の酢酸菌菌体による防止効果 7.アルコールの酢酸菌菌体による分解促進の研究 8.酢酸菌体を保存した場合のアルデヒド酸化酵素の活性化低下防止 9.スパイスに含まれる酵素の挙動 10.製品中のアクリルアミドの低減化方法

★食品の品質劣化に及ぼす主たる原因について(以下一部省略)

 1.酵素の関与・・・食品中の油脂(不飽和脂肪酸)2.酵素の関与・・・食品の内在性のもの・部生物由来 3.成分間の相互反応の関与・・・褐変

★原料中に含まれる酵素・・・野菜や穀物などの食品材料・・・収穫後種々の酵素活性が存在・・・酵素反応を念頭におく必要   温和な条件で急速に特定の化学変化が選択的に発生 ⇒製造工程 で品質低下に原料中の酵素が関与

★食品劣化に関する主な酵素 

炭水化物の変化 ・・・アミラーゼ、ペクチン分解酵素などの酵素 以下省略

タンパク質の変化・・・プロテアーゼ

脂質の変化・・・リパーゼ、リポキシゲナーゼ 

核酸の変化・・・ミソキナーゼ、ATPアーゼなどの酵素 以下省略

フレーバーの変化・・・ポリフェノールオキシダーゼ、カタラーゼなどの酵素 以下省略

栄養素の変化・・・チアミナーゼ、アスコルビン酸オキシダーゼ

★加水分解酵素による品質低下・・・・炭水化物の加水分解に関与⇒アミラーゼ・・油脂の加水分解に関与⇒リパーゼ  核酸系調味料の加水分解に関与・・ホスファターゼ

★ 澱粉の分解様式により4群に大別 

  α-アミラーゼ 1.4結合に作用   動物、植物、微生物に広く分布(以下一部省略)

  β-アミラーゼ 1.4結合に作用 マルトースを生成   高等植物特に穀類、豆類に多い

  グルコアミラーゼ 1.4及び1.6 に作用 澱粉をグルコースに分解 カビ酵母 多数報告

  枝切酵素 アミロペクチン、グリコーゲンのα-1.6結合分解

★スパイス中の含まれるアミラーゼ活性の分布  多いものと少ないもの代表例

  トウガラシ・・アミラーゼ活性 1.96 units/g 以下単位省略  パプリカ・・1.49 クミンシード 1.72  アニーシード 1.47 中国カラシ 1.63 セイボリー1.25 シナモン 0.10

  • トウガラシとクミンのアミラーゼの至適PH及び熱安定性 

トウガラシ 至適PH 56 熱安定性 6070℃安定 80以上失活 工場で応用

クミン 至適PH 57 熱安定性 5060℃安定 80以上失活 

.食品の製造過程において原料中の酵素が関与した品質劣化の事例

 レトルト殺菌したレトルトカレーにおけて粘度低下が発生(製造工程省略)

  1.小麦粉+精製ラード 2.核酸系調味料+肉エキス+スパイスパウダーなど 3.黒胡椒+オレガノ+トウガラシ+水 4.精製ラード+タマネギ  95℃加熱⇒加熱殺菌(120℃)

 澱粉が原料の酵素により粘度が低下 ⇒解決 トウガラシのアミラーゼを加熱失活解決

 解決の方法・・・原因の推定 小麦粉なトウガラシを入れて実験 低下 解決法上記

.酸化酵素による品質低下

 油脂の酸化劣化に関与 ⇒リポキシゲナーゼ(リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸の

  分子内の結合に作用する 過酸化物を発生すると品質低下)

  • 油脂 酵素が酸素の存在下で、過酸化物に変化。 アルデヒド類に変化 不快臭発生

    ヘキサナールの生成し、不快臭を発生する

★リポキシゲナーゼは、大豆や緑豆など野菜や果実に多い。

   大豆(エダマメ) 236.5 un 0.01/mgタンパク質(以下単位省略)

   緑豆 60 、ジャガイモ 120.6、ピーマン91.7 他は省略 

★リポキシゲナーゼ作用を抑える方法

・・・加熱処理によるLOXの不活性化⇒蛋白質の変性して食品素材としての機能性損失

・・・・酵素反応を起こさせない  酸素を断つ 阻害剤を使用コスト、操作性を考慮

・・・・LOX活性を遺伝育種的に低下させる 高コストになる

・・・生成した青臭い臭を酢酸菌(酵素)による低減化⇒温和な処理、簡単な処理

原料の中の酵素の働きをコントールして品質向上の事例

粉末豆乳の開発時における青臭さの発生の防止 ・・・ハウス本とうふで商品化

★上記の解決方法・・・開放化での粉砕を水中で磨砕することで解決

   室温で1年間保存しても、青臭さが感じおられなく、ゲル化形成能した、衛生性で問題がない   粉末豆乳ができた

★日本の食品産業で、低酸素化で工業化された技術 

⇒ビール(約0.1ppm)、牛乳(約2ppm)、 マヨネーズ(約0.1ppm,

  以下講演省略    酢酸菌の利用 

★ 筆者の感想:かなり昔の話であるが、開発の発想自体有益であった。開発の裏話

オジギソウ
姫ギボウシ
建物

食品化学新聞 食品技術士リレーシリーズ 令和5年6月18日記載記事腸内細菌と食物・健康とは関係がある

 NHKテレビで、腸内細菌の知られざる力が放映された。興味深く見たが、筆者の開発テーマと試飲の実体験談を紹介したい。開発者は、常に課題を考えている仕事をしろと言っていたので何かの参考になればと考えた。
乳酸菌は、子供時代に、ヤクルトやエルビーを飲んで知っていたし、父が今で言うと土壌細菌のたい肥に添加していた記憶がある。人間の思考の繋がりは今から思うと興味深い。

  1. 開発テーマと乳酸菌・酵素との出会いとは.

スナック菓子の原料であるコーングリッツは、トウモロコシの乾式製造から作る。そのときに副産物であるコーンフラワーやコーングリッツから澱粉を作るテーマがあった。トウモロコシが統制品で原料が限られるので澱粉を作れば利益拡大できる。無機酸が使われるので、乳酸、硫酸、塩酸や有機酸の組み合わせで実験したが上手くいかなかった。原点に返って通常の澱粉製造は湿式製造法で、亜硫酸ガスと乳酸菌を使って浸漬と発酵で作られていた。乳酸菌の役割を研究所や工場の先輩に聞いたが不明。図書館に行き、澱粉ハンドブックや新しい文献を読んだがなかった。そうだ!!古い文献を見たら乳酸菌の菌体外酵素(プロテアーゼやセルラーゼなど)が関与する文献があった。これだと思い市販の酵素を使って実験したら成功した。これが実社会での乳酸菌との出会いであった。
2.
筆者の実体験とは・・・

日本人の起源を調べているとアルコール・乳製品に弱い、典型的なモンゴロイドである。私的な体験談ですが、アルコールにも乳製品も苦手。胃腸が弱く酒を飲む宴会や接待は恐怖であった。結婚して、開発のストレスも最悪状態であった。ヤクルト飲料・ヨーグルト類を摂取したが、体質改善はできなかった。生家では(株)世界の酵素社の複合微生物・土壌改良剤のバイムフードを使っていた。その関連の植物性発酵食品「バイエムコーソ」がある。果実・野菜からの植物抽出液と天然酵母菌や有用微生物を共棲培養し粉末剤に出会い試食した。劇的な変化は摂取して23日で効果があり、軟便がなくなり体調不良も段々改善し、風邪もひかなくなった。「免疫と腸内細菌」上野川修一著・平凡新書2003年を読むと概略は消化管の運動向上、腸内菌叢の改善、免疫の働きを高める、腸内感染を防ぐなどの効果効能を述べている。20年以上も愛用しているが体質改善になっている。
3.
NHKテレビ 腸内細菌の知られざる力とは、

葛飾区健康センターは、市民サービスで腸内環境検査サービスを行っている。盛況で800人の応募があり、便秘、肌荒れ、じんましん、体調不良で検査を行った相談者がいる。ある人は、測定してみたらビフィルズス&乳酸菌などが通常値の半分以下の結果であった。食物繊維や漬物を含めた発酵食品の食事変更をし、睡眠やライフスタイルを変えた結果、78回の測定で通常並みの結果になった。筆者も測定してもらいたい。

また、腸内細菌と食事の5つのタイプ別と病気について、1800人の調査を行った。海外より多い5タイプと食事と病気についてAIを使って診断した。

健康と腸内環境の専門家である内藤教授(京都府立医科大)が解説した。タイプA(高たんぱく・高脂肪)タイプB(バランスの良い食事)タイプC(炭水化物が多く、偏った食事)タイプD(高たんぱく・高脂肪、漬物少なく、マヨネーズ多い)タイプE(野菜・魚多く、バランスの良い食事)である。健康であるのは、一番がタイプEでプレボテラ属が多く、次がタイプBで酪酸を発生させるバクテロイデス属が多い。最低は、タイプAで、Eよりも糖尿病12.5倍、高血圧 11倍であった。筆者はタイプEと自己診断した。

腸内環境QAで、①腸内細菌を何日で変えられるか・・8日から2週間で良好になる。悪くなるのは、12日でなる。

②食べ物は何が良いか・・・食物繊維は、キノコ類、サツマイモやジャガイモ、落花生などに含まれる不溶性食物繊維よりもリンゴやミカンバナナなどの果実、寒天や海苔の海産物、人参、大根、ごぼうなどの根菜類などに含まれる水溶性食物繊維がより良い。また、オリゴ糖などの含まれているとさらに良い。

③ヨーグルトなど効果があるか・・・老人の40%以上が毎日食べているヨーグルト類は非常に良い。有用細菌類にかぎらず、食べ物の成分を考えながら自分の体に合った商品を試食して選ぶとよい。乳酸菌飲料も同様である。筆者は、乳製品が嫌いで、和風食材や漬物や納豆とバイエムコーソで対応。

④アルコールの影響・・・自分の消化能力で調整する。細菌類には影響ない

舞岡公園ヤマユリ
舞岡公園 バッタ
舞岡公園 キンミズヒキ

「腸内細菌とガット・フレイル」   京都府立医科大学生体免疫栄養学講座 教授 内藤 裕二 先生

1983年に内科医として勤務し、内視鏡などを使って診断・治療を行っていたが、年齢的に体力がなくなり、患者を診ていると免疫や栄養が大切とわかった。内科医になったと年に胃がんの原因であるピロリ菌が発見された。老人が衰弱して年齢による動きの衰えがある。ガットとは、テニスのガットで羊の腸で作っているのでこの名前にした。フレイルとは、加齢や疾患によって身体的な・精神的な脆弱になっていく状態。また、腸内細菌が免疫に大きくかかわっている。
65歳以上の死亡原因では、がん、心疾患、老衰、肺炎など老衰が上位にある。フレイルの簡単な測定は、両手で輪にして足のフクロハギで回れば筋肉が少なくフレイルの心配がある。(筆者は簡単に回った) ピロリ菌はかなり駆除されるようになり、胃がんの死亡率が減少した。胃がん健診は、5年に1回で、健診では大腸がんの検査がより重要。リスクにあった健診が必要な時代である。無菌のラットで飼育するとがん等の病気がないが、興奮、喧嘩、情緒不安になる。原因はウンコが出なくなる。原因は腸内細菌。
ヤクルトのR-1000を飲むとよく眠れる。あれだけ宣伝されると信じるみたい。会員にヤクルトの元社員がいるから態度を変えてよく聞くと言い換えた。シロタ株は1930年に発見された乳酸菌で研究は途上ではないか。(筆者は同感。腸内細菌はもっと複雑な組成か)
無菌マウスを使って炎症やアレルギーを予防する細菌叢を発見し、医薬に応用すればノーベル賞をもらえる研究である。日本人が発見したピロリ菌は治療法まで発見すればノーベル賞を貰える。免疫やアレルギーに対して、ヨーロッパでは数種類のプロストリジウム類は注目されている。最近、ある研究を武田製薬が特許を取得しようとしたらJJが買った。その製品を作って10倍の価格で売るのではないか。

腸内細菌から生産される短鎖脂肪酸(酪酸、プロピオン酸、酢酸など)が免疫に関与している研究されている。プロストリジウム類の製品は協和キリンとミヤリサン(長野の会社で酪酸菌(宮入菌)の整腸剤会社・友達の親族か)横道・・・ミヤリサンは、免疫チェックポイント阻害剤に強力に効くようだ。有効性が極めて高い。5個・50円で買えるがアメリカでは1000/個売られている。余談である。

演者が開発して名糖で酸性ビフィルス菌を使ったヨーグルトが売れない。これは老化したT細胞を復活させる効果がある。納豆も効果がある。

現在 クーロン病 5万人/年 パーキンソン病 20万人/年 かなりの数で難病の医療費の8割を占めている。これらは腸内細菌による免疫低下が原因で腸から免疫活性物質が脳に作用するか病理実験中である。

酪酸は、遺伝子のT細胞に作用、短鎖脂肪酸低下、糖尿病に作用 などに作用
 糖尿病、メタボ、花粉症、便秘などサルコペニア症候群(年齢とともに低下する脚の筋肉筆者注) 腸内細菌と栄養が関係:有名な慢性炎症 腸内細菌 老化による腸内細菌が変わる。

腸内細菌をAIで五タイプに分けた。「腸内細菌叢の研究」 内閣府の第5回オープンイノベーション大賞 選考委員会特別賞を摂南大学、プリメディカと共同受賞した。(五タイプは省略)

大阪市枚方市のふるさと納税で測定をする。  Flora  Scan プリメディカで測定.30000円以上を寄付すると測定してくれる。 技術料として1億円以上  6%の取り分がある。600万円で大学と研究室などと配分すると私は10万円しかの金額。

NHK、羽鳥のモーニング等マスコミに放映された。

プロバイオテェクスを研究すれば、学校の不登校や会社員の生産性も低下を予防

健康は、食物、プロバイオテェクス、運動が重要である。・・・健康増進、病気予防

腹は重要・・・腹黒い、自腹、私腹を肥やすなど言葉。 ソクラテス・・腸から成り立つ

人間は、便秘になると腎臓(慢性腎臓炎)になる。進行すると1015年で死亡

パーキンソン病は、脳の病気ではなく腸内の細菌である。便秘とパーキンソン病に相関がある。便秘の原因の追究すると免疫がおかしくなり腸内細菌がおかしく、マウスに投与すると便秘になる。

3歳までの腸内細菌は、都会のマンション住まいと北海道の住まいでは違う。この菌叢が将来、花粉症やアレルギーなどの障害に差がでる。

ガット・フレイルになるとパーキンソン病や労働生産性が悪くなる。

ガンのスライドが出たが、細かくて見えなかった。小腸はガンにならない。

サンファイバー(タイヨーラボ製ガァバ豆の精製された繊維 筆者注)を使って、セブンイレブンと開発した。7月から発売。買ってくださいませんか。

プラスチックからマイクロプラスチックが溶出する 世界で初めて発見。マウスに投与すると便秘になる。

アメリカでは、便の冷蔵保管が始まっている。50歳代で保管して老化した時に腸に投与。色々な疾患があり、両親より兄弟で若い兄弟が良い。アメリカではウンコを売るビジネスがあり、医薬品で売るらしい。

アメリカで8000人のデータより、食事・子供の環境、PM2.5の汚染が影響する。

感想:非常に最先端の情報の講義を受けた。プロバイオテックス等ホットな話題。

文責:鈴木修武

 

庭のカラー
名前不明
御殿場の田んぼのトンボ

FOOMA2023 6月6日~9日東京ビックサイド 東館 主催一社 日本食品機械工業会

FOOMA2023 66日~9日東京ビックサイド 東館 主催一社 日本食品機械工業会

 コロナ明けですごく混雑していた。上記を見学したので記載する。

番外 高知・高専 ファインバブルの説明生徒が熱心に説明 実用化を望む写真 参照

1.品川工業所・・厚焼き卵の離型油でお世話になった。機械では老舗。パンフレットをゲット。相変わらず、充実している。
2.東亜工業・・・見学会受付中。餃子ビジネスモデル 餃子だけで会社が成立する。この会社と業務用皮の伸和食品とのコラボ 10年展示されている。
3.AIHO・・・炊飯油でお世話になった。その時の〇〇氏は不在で引退したか
4.鈴茂(SUZUMO)お寿司の整形では老舗。益々発展 おはぎ成型機も
5.カジワラ ・・・子会社のキッチンサプライ オーブンを出店
6.中井機械・・・チャーハンを展示 IHで本格的な炒め ここまで進歩か
7.MIK・・・業務用搾油機 びっくりしてみたら天カスやフライカスの搾油    ここまで油が高騰した証拠か
8.SARAYA ・・・食品用殺菌剤や洗剤で有名な会社 急速凍結装置
9.ARAYA ・・・毛髪検出 装置 プラ片・異物混入等 機械価
10.SATO ・・・ラベルメーカーが作業の工数管理・可視化DXで制御
11.大紀産業・・・乾燥機メーカーが食品解凍機を販売
12.タッテクス工業・・・元顧問先 混合機 息子に継ぐだ お世話になった元社長の訃報。折角 会いに行ったのに残念 ご冥福を祈る以上
FOOMA 2023 6月~9日東京ビックサイドで
高知・高専 ファインバブル説明
AIHO 炊飯油でお世話になった
東亜工業 餃子では、世界一 すごい会社だ

食品技術士センターの「アイフェアジャパン」 無料相談員  令和5年5月17日

 「アイフェアジャパン」  令和5年5月17日~5月19日  東京ビックサイトで開催

 食品技術士センターの仲間9人と1日三人で3日無料技術相談を行った。当番日は、5月17日で、F氏、Y氏と私で行った。 内容は詳細には紹介できないが、こんな相談であった。
1.
一番多かった相談は、技術士の試験をしたいがどうすればよいか
説明は5~6件あった。キャリアーアップには良いですが・・・

技術士を知らない人もいた。普及度はいまいちかこれは昨年行った「食品開発展」と同じであった。

興味のある人は、日本技術士会のHPでご覧くださいませんか。実際には、食品技術士センターのHPで講師&先生を探してもいいですね。合格の早道は、先生探しである。

 技術士は、21部門の技術部門で、高度な専門的な応用能力を必要とする

 事項の計画・設計、評価などをする業務分野で活動する。技術部門では最高の資格である。
2.無料相談の内容
今日の仲間は、F氏は、古参であるが、最新入会した。食品の品質保証、生産プリロセスの開発。一部上場企業に食品の研究開発部門に所属。Y氏は、バリバリの現役の技術士で若手のホープである。専門は農業部門である。中でも土壌である。以前肥料会社に住んでいて、独立。各方面で活躍。私は、商品開発や利用研究をしていた商品開発には強い。

2.個別の相談

・ある県の研究所の開発研究員で、・食品技術士センターの活動内容。勉強会(オンラインを含む)、資格試験のやり方。「大量調理における食用油の使い方」を進呈した。

 ・具体的な商品の開発・・・・新規部門の起こした。会社の指示か。F氏と共同で、開発のやり方、製造フロセスや経済的な側面を見ながら行うように助言した。

他に開発がらみの案件が2件あった。

 展示会は開発テーマの原点か・・これからいかに学ぶか

 ・他に開発の相談・・・・・2~3件あり。

 3.アイフアジャっパンの展示のブースの見学

  隣に、昔お世話になった甘味〇〇研究所の発展した分析センターがあった。前には、月刊HACCP関連の出版社があった。
 相変わらず、健康食品、機能性食品、分析機器、分析センターが多かった。 コロナ前の見学者になったか。現場の雰囲気は刺激になった。以上

「ご活用下さい!~公設試験研究所のお仕事を紹介します。~」      地方独立行政法人 鳥取県産業技

  1. 鳥取県の公設試験研究機関「公設試」とは

衛生環境試験所、農業試験場、林業試験場、産業技術センター(工業試験場+食品加工試験所)⇒ここに勤務。水産試験場

  1. 企業の皆さまの研究室です。・・・技術相談、機器・設備利用、依頼試験・分析、共同研究・委託研究 ・・・どこかに相談を
  2. 鳥取県産業技術センターの概略 職員57名、正職員49名(研究41名、事務職9名、技術・事務スタッフ18
  3. 内容・・・食品開発研究所(水畜産食品G&農産食品・菓子G)、 機械素材研究所 他は略
  4. 内容:技術支援、研究開発、利用・分析、人材育成(ここを強化中)
  5. ものづくり人材の育成を支援
  6. 食品関連の技術開発事例・・・マグロ内臓を使った製品、高品質ブライン凍結、透明トカトジュース、さば寿司冷凍熟成(成功したか)、黒ニンニクバウダー化、コーヒー葉茶、カニのゆで汁凍結濃縮、食品のカプセル化、細胞三次元培養
  7. 公設試の研究開発とは・・・企業や業界の困りごとの、共通課題の解・・・県の未来を切り拓く、チャレンジ型研究開発
  8. 県の未来を切り拓く、チャレンジ型研究開発・・・深海魚抽出物によるスフェロイド形成の分子基盤の解明細胞の三次元培養図など詳細省略 
  9. 目的<未利用資源を培養素材へ>

カニの収穫時にノロゲンゲ 収穫 深海魚 ノロゲンゲの抽出物を使い

三次元培養ができる ゼラチン状にならない・・試験で培養素材になる

  1. 素材開発・・・魚臭不評⇒ケイ酸アルミ除去⇒三次元化責任たんぱく

 ⇒アミノ酸による抽出(特許法)

  1. 企業の支援事例①・・・風邪ウイルスの予防になる飲料を作りたい

鳥取大 景山教授  ・・・紅茶のクリームダウンの処理タンナーゼ酵素処理失活する 紅茶にとろみをつける 増粘剤を使った製品企画に変更

  1. 企業の支援事例②コーヒーの葉っぽでお茶を作る・・・現地で体調不良

⇒コーヒー葉を煎じて飲む ・・・有効成分あり消費者を健康にしたい

14.葉を使う・無農薬~低農薬 自社で栽培 鳥大乾燥地研究所 西原教授

15.葉は自社栽培 茶の製造 自社で製造 製造技術特許出願

  ・・・・・茶の製法でやらないゆでを入れる トリコネリン、クロロゲン酸同程度、カフェインが低下、青く臭さも低減 製品化へ

  1. 企業の支援事例③ 自社製品の良さをスクリーニングしたい

  製品の機能性評価・・・機能性を活かした用途開発

          ・・・機能性を指標とした品質管理

          ・・・Eidence based marketing 科学的な根拠 消費者に

17.食品製造で用途開発 植物ミネラル食味への効果 模索中

  1. 企業の支援事例④ディスプレイ高精細化技術を谷応用

  HepG2 細胞の薬剤代謝酵素活性

  1. 企業の皆さまの研究室です。・・・・ご利用を

感想:地方の公的な試験所の現状を知った。技術支援はりっぱ

   その後、企業の採算性か経営への付与 特許の維持管理?

   公試の採算?と企業の経営への付与どうするか 儲けてどうするか

   難しいがやるしかないか。挑戦のみ        以上

 

 

ショジョバカマと紅まんさく(自宅庭)
山桜とソメイヨシノ(最近同時開花温暖化か)
馬酔木・平戸永谷川

近赤外光による食品異物検査 〜 見えない光で見つけだす 〜」       徳島大学ポストLEDフォト

  1. 目に見えない光にこそ可能性がある。
  2. 可視光線は、人に見える深紫外(強い殺菌力、光免疫、殺菌水銀灯(20年より廃止)、赤外多種多様な分子振動、)分質分析の最適、テラヘルツ:物質透視性超高周波電波
  3. 身近な検査・・・・レントゲン検査、超音波検査、
  4. 食品分野・・・X線検査、金属探知機、重量検査、

食の安全により高まる異物選別ニーズ ・・・金属検出機、X線検出機、色彩選別機など

5・原理と限界 金属検査機 磁束の乱れを測定 鉄0.25mmサス0.6mm限界

  1. X線検査機 透視 軟異物まで検出
  2. 色彩選別機 明度、色相、輝度⇒255種⇒1600万色 15mm差で識別
  3. 他にも検査機 比重、サイズ、形状、磁力、帯電など
  4. 食品非破壊検査の装置市場規模 ・・・拡大傾向454億 色彩110
  5. 食品の検査技術は充分か 異物混入 1852件国民センター 調査

菓子分野 虫23%、毛髪・爪14%、プラ10% 金属片17% その他

  1. 世界の食市場 680兆円 加工食品 320兆円
  2. 混入防止・・・目視、金探
  3. 見える異物  金属探知機と見えない異物 X線検査機 検出困難領域あり
  4. 非破壊検査の最前線(次世代検査技術)・・磁気、近赤外、テラヘルツか
  5. 光による異物検知とその可視化 ・・・近赤外と偏光 の組み合わせ
  6. なぜ光なのか 水を含むが、可視から近赤外に光吸収がない
  7. 近赤外分析法 ・・・普及している小麦水分、成果の糖度・・桃、ナシ、キウイ、マンゴーなど、農産物の内部空洞化
  8. 近赤外と偏光の組み合わせ ・・・光学系が用意、解析が用意

          ・・対象試料必要、透過光強度の影響大現10mmm程度

  1. 実用試験中 近赤外光 偏光 で構成 
  2. 光異物検査装置による検査事例 ・・・レタス・ヨトウムシ、イチゴジャム   

     蟻 容器形状・不良品、果物・ケシキスイ   

20.実用機で 普及中 100万円前後で  昨年某社400万円紹介

 

  感想:私も機械を売った経験があるが、仕様書を作り、実用に近いまで

 データを作る必要がある。顧客にどれだけメリットがあるか。データで示す必要がある。生産機械は400万以下か測定機器は100万円前後が限界か

前後のX線や金探とどうコラボするかカギになるうか。発想だけで商売には

ならない厳しい世界であろうか。成功を祈るだけ。

土佐みずき・平戸永谷川
日向みずき・平戸永谷川
横浜ひさくら?
大島さくらと雪ヤナギのコラボ

食品化学新聞 令和4年12月08日 食品技術士リレーシリーズ 記載記事食べ物の栄養とオートファジーは

  mRNAはコロナで有名になったが、DNAからmRNAに情報を転写して免疫タンパク質を作ると言っても一般人は理解できない。約60年前にDNAでワトソン・クリックがノーベル賞を貰って遺伝子の幕開け。当時、DNAATCG)の遺伝情報から転写されたmRNAの塩基(3分子・コドン)でアミノ酸を作ると学んだ。各種アミノ酸が栄養要求による発酵法で作ることができるなど生物工学が飛躍的に進んだ。新書でオートファジーを読んで生物は精密なリサイクル再生工場であることを知るとともに、食べ物の長期的な視点の重要性を再認識した。

  1. 人間の体は、食べ物からできているか。

 幼い頃、両親が野良仕事に出ており、空腹で遊びに行こうとすると「おさむや食べないと体に悪いよ!なんでもいいから食べな」と祖母に言われた。大学で、食品栄養を勉強した。「生命のあるところにタンパク質」があり、約20種類のアミノ酸からタンパク質ができて、体を作る。人間は9種類の必須アミノ酸が必要である。栄養の専門を生かそうと会社に入ったら「栄養は金にならない」と言われ、それなら商品開発でヒット商品を作りたいと思い、焼きそば用やおにぎり用油などを市場に出し見返したが。老人でもしっかり食べろと言われており、タンパク質の栄養が重要である。ラジオを聴いていたら、新潟医療福祉大学の西浦先生の「老化を防ぐ最新医療」で、食事と料理でたんぱく質摂取の基本を放送していた。タンパク質を食べると胃で消化されて、ペプチドになり、腸でアミノ酸に分解吸収され、門脈から肝臓に蓄えられる。タンパク質は、肉、筋肉、釼、皮膚など体の基本である。7歳の子供と65歳以上の高齢者でも同量必要で、植物性と動物性の良質のタンパク質を摂ることが大切で、アミノ酸価もさらに必要である。日本人はお米と大豆、魚介類で合格と言っていた。さらにオートファジーを読んみると、体でアミノ酸が再生しており、継続的な栄養摂取が必要である。

  1. オートファジーとはなにか?

最近、新聞広告で知りさっそく入手した。吉森 保著「生命を守るしくみ オートファジー」(講談社 2022年)を読んで久しぶりに感動した。体は精密なリサイクル再生工場と思い、栄養の大切さがわかった。オートファジーは、2016年大隅先生がノーベル賞を取ったテーマである。日本科学未来館には細胞の模型があり、来館者に説明したことがある。オートファジーとは細胞が自己成分などを分解する機能である。酵母から哺乳類まで真核生物が共通して持つ機能である。皆さんの体中で毎日起こっている。オートファジーが、疾患や老化に関係し、治療や予防ができる可能性があるみたいである。

そして、3つの主要機能―栄養源の確保・代謝回転・有害物の隔離除去の機能がある。栄養とオートファジーはここで関係する。

簡単に説明すると、一つ目の栄養源の確保は、飢餓状態になったラットから発見された。そのためにオートファジーは、自己を食べることで栄養を得るという役割があることがわかった。栄養の確保は特に酵母のような単細胞では重要であり、大隅先生が酵母から発見した。単細胞生物の場合、一つの細胞であり、栄養をためておくところがないので、栄養の枯渇は外から栄養を吸収できない時に、命にかかわることから、オートファジーにより、細胞の成分を分解して栄養源を得る。タンパク質からアミノ酸にし、エネルギー源や生存に不可欠なタンパク質を作る。酵母は飢餓になると何十日も生き延びることができ、栄養の好転を待つ。飢餓のときだけでなく、低酸素、低温度などの様々なストレスに対してオートファジーが活性化して、緊急生命維持装置となる。これは人間も同じである。

二つ目は、代謝回転である。オートファジーは、飢餓の状態で活発になるが、普通の状態でも起こる。私達はタンパク質を食べ物から摂る。例えば、60kgで1日に60gのタンパク質で、植物性と動物性をバランス良く摂ることである。しかし、体の中では、毎日240gのタンパク質を使っている。240-60g=180g。180gはどこからくるか。オートファジーで体の細胞の3/4を使って再生している。これは驚きである。細胞成分の新陳代謝である。専門的には代謝回転と言う。

三つ目は、上記以外に細胞内に入ってきた、細菌などの有害物を隔離して、除去する機能を持っている。オートファジーによって自己成分以外のものが分解は衝撃と発見者は述べている。地球も含めて再生可能にするのが人間の使命であることが改めてわかり、SDGsと言って取り組みは結構であるが、3/4を再生する生命に学ぶべきこともさらに多い。皆様どのように思われますか。

食品技術士センターの「食品開発展」 無料相談員  令和4年10月15日

「食品開発展」 令和41012日~1014日 東京ビックサイトで開催

 食品技術士センターの仲間9人と1日三人で3日無料技術相談を行った。

 当番日は、1013日で、Y氏、A氏と私で行った。内容は詳細には紹介できないが、こんな相談であった。

  1. 一番多かった相談は、技術士の試験をしたいがどうすればよいか

説明は56件あった。キャリアーアップには良いですが・・・

技術士を知らない人もいた。普及度はいまいちか

 技術士は、21部門の技術部門で、高度な専門的な応用能力を必要とする

 事項の計画・設計、評価などをする業務分野で活動する。技術部門では最高の資格である。

Y氏は、実際に講師で詳しく説明していた。試験は、第1次試験で5択で大学卒業程度である。技術士補になれる。第2次試験は、技術士補で経験を積んで57年で、受験資格ができる。筆記試験と口頭試験がある。

興味のある人は、日本技術士会のHPでご覧くださいませんか。実際には、食品技術士センターのHPで講師&先生を探してもいいですね。合格の早道は、先生探しである。

2.個別の相談

私は、ある上場企業の開発研究員で、商品開発の考え方の相談を受けた。

「大量調理における食用油の使い方」を進呈して説明した。

 焼きそばやおにぎり用離型油の具体例とデータの作り方。本の個別箇所で説明した。商品開発は、開発者の設計思想で商品の8割が決まる。資料を集めて自分なりの考えを持たないとできない。差別化と付加価値で決まるではないか 他の2人の開発者もテーマで苦労している。テーマ探しからどうするか。

 展示会は開発テーマの原点か・・これからいかに学ぶか

 ・A氏・・外国のバイヤー・・・日本のマーケットの相談、商品開発

            ・・・具体的なテーマ マーケットを考えないと売れないか

 ・他に開発の相談・・・・・23件あり。

 3.食品開発展の他のブースの見学

 ビーカーや科学機器メーカーの柴田科学ブースに寄った。なんと40年以上

 前に開発した私の商品酸価測定器「アブテスター」酸化を測定するPOV試験紙、POVテスター5型など中央にあった。販売員と話したら、当時のE氏の話になった。懐かしい名前を聞いた。
 相変わらず、健康食品、機能性食品、分析機器、分析センターが多かった。

 やっとコロナ前の見学者になったか。少し少ないような気もしたが・・以上
本人 
相談ブース 他の仲間2人
食品開発展 一部

 「食品のおいしさに貢献する香り成分とその生理作用」 日本大学生物資源科学部 食品生命科学 食品栄養

1.食品と加熱

食品を加熱することで ・・・殺菌・減菌、酵素の失活、物性の変化、味・香りの生成、着色 などが起こる

加熱による食品成分間反応の中で特に

    メイラード反応(アミノカルボニル反応)が有名 フランスの科学者

    マイヤール(英語読みメイラード)博士によって見いだされる。

  1. 食品中のメイラード反応

 還元糖+アミノ化合物 ⇒褐色色素成分+風味成分(香気成分、呈味成分)・・・食品では、アミノカルボニル反応とも呼ばれる

  1. 加熱した食品の香りの魅力

 加熱した食品の香り⇒なぜ食欲がそそられるのか 

             ⇒どんな秘密があるのか

  1. メイラード反応による香気成分の簡単な生成経路   省略
  2. 香りが心理・生理に作用する2つのメカニズム

心理的な効果・・・・香りの体験、香りの効果に対する期待、宗教・信仰

薬理的な効果・・・鼻を通じた効果(嗅覚系)

         ・・・体内に取り込まれての効果⇒気分や感情への影響す

           る⇒自律神経系/中枢神経系/内分泌系に影響する

  1. 香りが心理・生理に作用するメカニズム

・・・薬理的な効果   省略

 7.2000年以降のメイラード反応生成香気の研究動向

   ・・・焙煎大豆の香りの吸入→ヒトの脳のα波が増大する

   ・・ガテマラコーヒーの香り吸入・・他の種類のコーヒーよりもヒトの脳のα波が増大、マウスに対する抗不安作用

   ・・・麦茶を摂取 →末梢血流量の増加

  1. メイラード反応で生成するおいしい香りの嗅覚刺激による生理応答

 香りの大きな作用・・・嗅覚系を介して生理作用および作用メカニズムの解明

  1. ラットの血圧への影響とその作用メカニズム

 メイラード反応物を摂取することによる高血圧抑制作用がある

  1. ラットの血圧への影響とその作用メカニズム

  メイラード反応の条件により、匂いの特性が異なる→生成される匂い成分の組成が違う・・・不快な印象 ・・・甘い香り 快い印象の香り

  ・ラットの血圧・・・・メイラード反応により違いがある。

  ・自律神経に影響する

10.DMHF刺激と食欲の関係・・・視床下部の機能に関係する

  1. DMHFの嗅覚刺激よるヒトへの影響・・・心理的な影響、生理的な影響、講堂への影響がある

  ・瞳孔の収縮率と末梢の皮膚温への評価・・・・効果がある

12.近赤外光機能イメージングによる脳活動評価・・・・影響する

13.DMHFの機能性をとめると

   ・嗅覚系を介して交換神経を抑制い、副交感神経活動を促進させる

   ・血圧を降下させ、生体を鎮静させる。

   ・大脳も鎮静させ、敵意消失や疲労の消失や減少、緊張、不安感

軽減などの気分の変化をもたらす

14.イノベーション・ジャパンへの出展と将来展望

   ・産官学と連携いて、嗜好性「おいしい」と機能性「からだにいい」を兼ね備えた価値の高い食品香料を作る

  

  筆者感想:古くて新しいメイラード反応で新しい知見を得た。

       どのように応用するか楽しみである。

                             以上文責鈴木修武

食品技術士センターの令和4年8月(2)のオンライン講義:概要と感想

「発酵で旨みが生まれるメカニズム」 

東京農業大学応用生物部醸造科学科 教授  前橋健二

 

1.日本古来から受け継がれれる発酵食品の数々

  べったら漬け、かぶら寿司、かんずり、清酒、こうくちしょうゆ、納豆、魚醬油

  古漬け、白味噌  発酵食品⇒伝統食品 経験が裏付ける

2.発酵食品とは   

   微生物の働きを利用して製造される食品

   食品成分 ⇒ 複雑な成分 豊かな香味 健康機能

3.発酵現象と腐敗現象

   食品 ⇒微生物が繁殖 ⇒食品成分の一部が分解されたり、代謝産物、反応物が蓄積する

      発酵(好ましい)・・・・芳香、呈味性、栄養価、機能性

      腐敗・傷む=食品劣化(好ましくない)・・・悪臭、異味、毒性

4.日本の伝統発酵技術 

   清酒 ・・・一麹、二 、三作り  醤油・・・一麹、二櫂、三火入れ

   味噌・・・・一麹、二炊き、三仕込み

5. 米麹とは   

   蒸米に麹かび(アスペルギルス・オリゼ)をはやしたもの

   米の内部にまで菌糸が伸びている。全体の1割くらいが麹かび菌糸

   菌糸が伸長する際に消化酵素が分泌されるため、麹には豊富な酵素が

   含まれる

6. 麹に含まれる主な消化酵素

   

デンプン分解系・・・α-アミラーゼ   デンプンを液化する

          ・・・グルコアミラーゼ デンプンを糖化する

          ・・・グルコシダーゼ  グルコースをつくる

糖質分解系  ・・・ セルラーゼ     細胞壁成分を分解する(組織崩壊)

         ・・・・ ペクチナーゼ    同上

タンパク質  ・・・プロテアーゼ   ペプチドをつくる

  分解系  ・・・・ペプチターゼ  アミノ酸をつくる

脂質分解系 ・・・リパーゼ 脂質を分解、合成

 

7.醸造工程での麹菌酵素の働き  

    タンパク質 ⇒   ペプチド  ⇒   アミノ酸   豊かな味になる 

           プロテアーゼ     ペプチターゼ 酵素が作用する

 

    デンプン  ⇒  グルコース ⇒   乳酸

           アミラーゼが作用する

    脂質    ⇒  脂肪酸  ⇒ アルコールエステル  豊かな香り

           リパーゼが作用する

8. 塩麴の製造法

    塩麴とは、米麹に食塩と水を加えて熟成(糖化)させた塩味発酵調味料。塩として調理に使う

9.塩麴と他の麹調味料の呈味成分

 

塩麴

みそ

しょうゆ

塩味(食塩)

11

12

16%

甘味(還元糖)

22

10

2

うま味(グル酸)

0.04

0.3

1

   塩麴は、食塩と糖の割合が12

   塩味とともに甘味付けの役割を持つ調味料

10.甘酒と塩麴との比較

甘酒と塩麴の60熟成における成分および残存酵素の象徴

     遊離糖・・・・ほぼ同じ 遊離アミノ酸・・・食塩により酵素の働きが抑制

     デンプン分解酵素活性・・・塩麹が弱い

     デンプン分解酵素活性・・・塩麴が強い

11.発酵調味料の風味形成の特徴

  海外の味付け・・・多種類の食材⇒香味を抽出、ブレンド⇒ソース、ケッチャプ、ドレッシングなど欧米調味料 ⇒調理の香味を付与

  日本の味付け・・・食材+微生物⇒酵素分解、発酵⇒みそ、醤油、みりん、     

           塩麴(複雑な香味が生成)⇒調味過程でさらに香味生成

12.発酵調味料がつくる和食の旨み

   食材+塩麴 ⇒下こしらえ、漬け込み⇒加熱調理⇒麹調味料の味+食材から生じる味と香り  和食の旨み

13. 発酵で生まれる旨み 

   まとめ・・・発酵過程で生まれる多種の味と香りの成分

      ・・・・たんぱく質の分解で生まれるペプチドのコク

      ・・・・複雑成分は、相互作用でさらにうま味を増幅

以上文責 鈴木修武

食品技術士センターの令和4年8月のオンライン講義:概要と感想                  「小

 「小麦粉・米粉について  熊本製粉株式会社 研究開発部 竹部洋平 ・技術士(農業部門)

 

講師紹介 麺に関する商品開発・穀物粉・九州産穀物の試験栽培担当 

  熊本製粉の概略紹介: 戦前日本ゴム(当時の社長石橋正二郎)が所有し、軍需工場があり、戦後の食料難解消の一環として、石橋、鳩山一郎、松野、団伊能氏らが、製粉工場の復活を決め、1947年に誕生し、7周年を迎える。

 事業内容:①小麦粉(ロール製粉、石臼製粉)ミックス粉②食品事業そば粉、米粉 ③倉庫事業 

1. 小麦の生産と消費

中国・インド・ロシアが多く日本は 生産は102万トン消費は632万トン

作付・収穫面積は増えないが、収量は増える。日本は生産量横ばい

日本の1年間の消費量の比較 米 53.0Kg 小麦粉32.3Kg 

2.小麦の流通の現状(食糧用)

日本使用小麦 国産 14% 輸入 86% (アメリカ49%カナダ34%オーストラリア 17%) 2.3ケ月分備蓄  輸入小麦は政府が購入し、各メーカー 

3.国産小麦

  小麦の生産地 2020年 北海道 67%、福岡 6%、佐賀 4%等 

4.原料小麦

小麦の内部構造

 胚乳:小麦粉になる部分 主成分 糖質(澱粉)、タンパク質

 外皮:ふすま、ブランと呼ばれる 食物繊維、Mg、Fe,Znなど豊富に

   胚芽: 分離精製 栄養補助食品等 脂質、タンパク質、各種ビタミン、ミネラル含有 

  1. 小麦・小麦粉の種類
  • 強力小麦粉(強力粉)

:グルテン量が多く、グルテンの性質強く、粒度粗く

:用途 パン、餃子の皮、中華まん、ピザなど

  • 中力小麦粉(中力粉)

:グルテン量がやや多く、グルテンの性質やや強く、粒度やや粗く

:用途 うどん、その他

  • 薄力小麦粉(薄力粉)

:グルテン量が少なく、グルテンの性質弱い、粒度細かい

:用途 ケーキ、お菓子、天ぷらその他

    小麦粉の品種別の特徴:加工用途とグルテン量

      菓子<うどん<中華麺<パン<ブレンド グルテン量が多い

 6. 製造工程  省略 

 7.輸入小麦の価格上昇
   令和4年4月の要因 ①昨年夏の高温・乾燥により米国・カナダ産コムギ不作 小麦価格上昇 ②日本が求める高品質小麦 価格上昇 ③為替 円安④ロシアの輸出規制、ウクライナ情勢など 上昇

 輸入小麦5銘柄平均17.3%の値上げ 

  8.国内小麦 特徴 省略 九州産の特徴 チクゴイズミ なめらかでモチモチとして経時耐性の高い・・・・特徴のある国内小麦が出ている

   :新品種の取り組み ミチハルカ

   :熊本製粉 石臼挽き製法 ・・・品質のばらつき無く澱粉の損傷が
             少ない
 特徴のある粗い部分を多く含んだ小麦粉ができる 

 9. 米の消費 昭和40年頃 118Kg 令和2年50.7Kg

   米粉の生産量・需要量推移 

生産量 平成23 3.5万トン強 その以降減少 令和3 4.0万トン

需要量 平成23 1.6万トン その以降減少増加 令和3 4.0万トン 

 10.米粉について

  生小粉――もち米 ・・・白玉粉、餅粉、牛皮粉    用途

  うるち米・・・上新粉・上用粉        団子、柏餅、草餅

      ・・・        新規需要米 パン、洋菓子、麺

   糊化米粉――もち米 ・・・焼みじん粉、寒梅子粉、道明寺粉・・              用途 うるち米・・・早並粉・うるち上南粉   和菓子・おこし                

 9.米粉の粉砕装置と特徴 

気流式粉砕装置・・微細粒紛可能 製粉のダメージ 品温上昇なし等

  特徴:もっちりおいしい食感、低吸油でさっぱりヘルシー、ダマにならない、

振るい不要、甘味などの調理特性、優れたアミノ酸バランス、食料

自給率アップ    

  米粉まとめ  ・・・新規需要米 、米粉用米 増加 品種 麺には「越のかおり」 パンは、「ミズチカラ」  

感想: 地方の製粉会社は、生産量は少ない。日本産小麦粉を石臼製粉で作り、特徴ある新製品を作る。米粉も特徴ある新しい用途や性質を使って新製品を作っている。 地方の生き方を学んだ。以上文
ヤマユリ
ヒルガオ
アザミ

食品化学新聞 令和4年8月18日 鈴木修武著 食品技術士センターリレーシリーズ記載

三浦大根を見て歴史を感じ食品関連産業の未来を考える!!  

技術士(農業部門) 鈴木 修武 (鈴木修武技術士事務所)

 コロナ下でも明るいニュースが先日報道された。2021年日本の食品の輸出額が1兆円を超えた。品目別では、ホタテ貝639億円、牛肉539億円、ウイスキー、日本酒、真珠などである。NHKの報道でワサビが独自の販売ルートで、価格が5倍で売れていると聞いた。将来、食品&農業関連は、うまくやれば自動車産業のGDPを超えると言う情報もあるか。散歩仲間と三浦半島の灯台にハイキングに行った。三浦大根が畑にいっぱい栽培されていた。色々と調べると歴史を感じるとともに未来を考えてみた。

  1. 三浦大根とその土地の歴史は、

三浦半島の大根の歴史は古く、「風土記新編相模」(1841年)にも記載されている。江戸時代末期には優良品として売られており、1905年(M38)に鈴木寿一氏により練馬大根の品種改良品が栽培され、1925年(T14)に岸氏により三浦ダイコンとして宣伝されブランドとして確立した。横須賀市立自然・人文博物館によれば、戦前戦後に肥料として周辺都市のふん尿が利用された。横浜市も船で運んで肥料供給した。1967年にふん尿の使用禁止。牛馬の減少で農業形態が変わったが、そのことにより肥沃な大地が生まれた。そういえば、小学校の頃、静岡でも茶畑の道添に大きな丸い肥溜めがあった。表面に草が生えて、ウサギは上を駆け抜けたが、一緒に行った友達が落ちた記憶がある。入れられないふん尿は、近くの山林に捨てられ大騒ぎになりまもなく禁止になった。横道にそれたが・・。その土地には長い歴史を感じた。

2.大根と品種改良には、長い歴史とドラマがある。

板木利隆氏の「昔の野菜今の野菜」(幸書房2001年)によれば、ダイコンの原産地は中央アジアから地中海東岸の地域で、古代エジプトでピラミットを作った人々が食べていた。わが国には中国から渡来し古事記にも記載されている古い作物である。弥生時代から栽培されており、平安時代では貴族の高級野菜であった。普及は江戸時代である。参勤交代の江戸の土産や伊勢神宮参拝の土産にはダイコンの種であった。ダイコンは、二種類あり、白首ダイコンと青首ダイコンである。食品技術士センターの講師をした竹下氏(日本の品種はすごい 中公新書2019)によれば、尾張地方で作られた方領ダイコンは、清州城から西に約2kmの現在のあま市方領産で、特徴は、根が水牛の角のようなに曲がり、宮重(みやしげ)ダイコンより大きく曲がりが強く、美味しいダイコンである。組合を結成して品種維持に取り組んだ初のケースであった。病気に弱く傷つきやすいので今では保存会でやっと守られている程度。宮重ダイコンは清州城から北に3kmの清須市春日宮重で作られ、こちらは辛みが少なく、生で美味しく食べられる。白首ダイコンは、方領と宮重ダイコンの交配種らしく、全国に広まった。三浦ダイコンは、白首ダイコンで、長さ60cm、重さ3kgで、50年以上栽培された白首ダイコンで方領と宮重ダイコンの品種改良らしい。白首ダイコンは種蒔きから3ケ月半掛かるので9月の上旬に蒔いて年末に合わせる。労力と栽培期間が長い特徴である。そのために、1979年(S541019日に台風が到来して、三浦半島が大災害を起こした。年末向けのダイコンは全滅になり苦肉の策を取った。すなわち、栽培期間が短く遅くまで収穫できる青首ダイコンを蒔いた。海水に会った土でも育ち、病気にも強い期待した以上の品種であった。この品種は、京都に本社があるタキイ種苗の「耐病総太り」である。この青首大根は1974年(S49)に宮重大根より暑さに強く関東市場の開拓をするためにタキイ種苗が開発した。上部が緑色になり見慣れないダイコンであった。抜くのに労力がいらず、ダンボールに入る長さで、甘みも肉質のよさと病気に強かった。初め関東市場進出に苦労した。この災害で大根の産地であった関東市場にデビューした。

  1. 日本の進むべき未来は、

このような地場産地が、全国には多く長い歴史もあり、独自の産業になりうる。竹下氏も著書の中で、リンゴのふじの中国の生産量は日本の35倍以上である。イチゴやぶどうも韓国や中国のニセブランドにやられている。日本は品種改良、土壌を含めた栽培技術やハウス、温室などの設備技術、品質管理等優れているが、マーケティングや売り方に短所がある。一部計画されているが、品種別の販売組織を作り、オールジャパンで対応することが日本の未来を開けると考える。皆様どのように思われますか。

かぶと大根
青首大根

食品技術士センターの令和4年6月のオンライン講義:概要と感想「ゲノム編集技術を応用したGABA高蓄積

  • ゲノム編集技術

これまでの育種方法 交配を繰り返して数万~数十万の個体ができて、優れた個体を選別する。 5年以上 果樹だと50年かかる

  • 数々のゲノム編集技術が開発されてきた

1世代 ZFN 等 第2世代 TALEN 第3世代CRISPR/Cas9

3.2020年ノーベル化学賞:ゲノム編集技術 第3世代CRISPR/Cas9

  医学、農業に革命

  世界から極めて大きな注目と期待  ⇒この技術が人類の未来に

  • ゲノム編集技術のメリットは、?

 育種の効率化 手間、時間、コストを減らす

 遺伝子資源の活用 生物の潜在能力を上手に利用

  • ゲノム編集作物の世界的な展望

高オレイン酸ダイズ TALLEN 2019

GABA高蓄積トマト  by CRISPR/Cas9 ジャパン 2021

  • ゲノム編集作物の利用ルールが世界的に加速

 アメリカ、日本、オーストラリアなど EU 再評価している

  • ゲノム編集作物による作物の機能性向上

・機能性向上の技術戦略 農作物の機能性向上 論文が出る

・事例・GABA高蓄積トマトの開発

  GABA とは、 血圧上昇抑制 10億人 予防するのには有効成分 ストレス緩和 リラックス効果 睡眠改善効果

・トマトでのGABAの生合成について

  グルタミン酸⇒GABA生合成酵素 GABAの安定的な蓄積に効果的

・機能性向上の技術でGABAの高蓄積化に成功 実験トマト品種

・元の品種の45倍のGABAを蓄積 含有量 の変化 

・知財のへの応用 アメリカより商業ライセンス取得

   大学発ベンチャー サステックシード株式会社

CRISPR/Cas9技術を使って開発した世界初のゲノム編集トマト

   2021512日普及の開始

・届け出提出について(任意)

 生物多様性への影響所管官庁 環境省 農水省

 食品に関する情報所管官庁 厚生労働省

飼料に関する所管官庁   農水省     以上合格

   専門家により確認済

・表示について (任意)  シールを作成

ゲノム編集技術で品種改良をしていこと

厚生労働省、農水省に届け出をしていること

  ・規制への対応

   ゲノム編集技術の分類

     タイプ1 ~タイプ3 まである

  • ゲノム編集作物(産業利用)の届け出(任意)2019年秋から可能
  • 厚生労働省 2021928日現在 3件提出あり
  • 農林水産省 2021928日現在 3件提出あり
  1. 社会受容への対応

   長い歴史を経て、今ある美味しい野菜になりました

   栽培化 育種 多様化

  1. 消費者にゲノム編集トマトを如何に届けるか?

  種苗会社から 直接 消費者に

   日本中に 4000サンプルを配布 セットを 4本肥料、土壌活性剤付 1000円以上?

  1. 私達のアプローチ 

  栽培農家 全て買い取る 

  生鮮品だけでなく加工品(ピユーレ/パウダー/その他)

  家庭用苗のオンライン販売 

   消費者 特にGABAの効果を期待する方に直接販売

 

 

感想:ゲノム編集も実用化になったか

   機能性食品の利用向上になればと思った。

   心配は、血圧降下剤と併用されのはどうするか

   以前、花粉症を120g米を作った学者がいた。医者であり

   他のアレルギーと個別対応するために専門家の関与をどうする 

   か 売り先の選定を吟味していた以上文責鈴木修武

    

アジサイ
アジサイ

食品の用途発明に関する審査基準の改定と機能性表示食品の権利保護

・機能性表示食品制度の問題点

  1. 機能性表示食品制度(2015年)発足(エビデンスはRCTの他にSRもOK
  2. 先行企業のRCT論文を用いてSRを実施するいわゆるエビデンスのタダノリも可能
  3. 特許で抑え込めれるか?
  4. 2016年の審査基準改訂により「食品の用途発明性」を認めることとなった

・特許出願・登録プロセス 図により省略

 

本講演の目的と経緯

  • 機能性食品の特許出願戦略におけるノウハウ集を作りたいと某食品企業からの依頼
  • 機能性食品の特許調査を2021年秋に実施
  • 20164月以降に登録となった食品成分の機能性に関する特許を中心に計126件の特許の内容と審査経過を調査
  • その結果をまとめてノウハウ集を作成した
  • その中で、特徴的な出願や著名な機能成分に関する出願を紹介する
  • その他、出願企業ごとのユニークな戦略について紹介する

 

・Case1 既知物質の新規機能を権利化

  筋肉の糖取り込み促進剤 特許5926469 福井県立大学

  ナツメ抽出物  オレアノン酸、ベツロン酸、ウルソン酸およびその配当体からなる・・・・筋肉の糖取り込み促進剤

  特許 化合物類の機能に新規性

・分割出願による食品構成物の権利化

  食品組成物を権利化するために分割出願を実施(20164.21

  前項のナツメ を分割 出願

・Case2 製法特定による新規性創出

  IgA 分泌促進剤 特許6160011 松谷化学工業

 出願時 難消化性デキストリンを有効成分とするIgA 分泌促進剤

 先行特許があるが、製法が違えば特許になる 一部省略

 

ase 5  用途の特定 (区別)

行動体力向上剤  特許6848962 味の素

  システンとテアミンを含有する老化防止剤 公知である

  システンを有効成分として、アミノ酸含有量に対して 3重量%以上を含有するし、テアニンを含有しない行動体力向上剤に特定した。

 分割出願すると権利が持続する

 Case 6 グリシン単独では拒絶された。分割出願する

 グリナ 特許の概要   グリシン×睡眠 ⇒グリシン ×熟睡障害改善 ×徐波睡眠への移行誘発 ×中途覚醒の抑制

 

技術の特定  技術者と弁理士との共同で特許ができる技術者の分野

 項目           内容

 1.起源材料    動植物の名称、属、種、株、利用部位

 2.抽出・加工方法 抽出溶媒、条件、精製方法、加工方法

 3.関与成分    化学物質、生物体、組成物、複合物、抽出物

 4.機能性成分との組み合わせ  組み合わせる成分

 5.配合量・配合比 含有量、配合比率

 6.作業機序 作用機序 作用する基部の違い 骨吸収抑剤 pDC活性比など

 7.生理機能 骨密度増大、筋力増強 免疫部活等

 8.特定した対象者 性別 年齢 病態など

 9.用途期待される効果 睡眠の質の向上 物忘れの防止など

 10.機能性表示内容  機能性の表示内容

感想:特許の考える範囲がものすごく広くなる

 

 弁理士と技術者の役割分担  一部省略

  役割分担するとスムースに行く。得意分野の持ちこと

  技術者・・・・発明の技術的な専門領域 実施事例

  弁理士・・・・権利の絞り込み 維持管理 クレーム範囲と維持

 

感想:久しぶりに特許関連を聞いたが、機能性が入るとより高度になり

   細部化された。分割特許は権利の長期化からか 以上文責鈴木修

TOKAIアクア焼津工場様 オンライン工場見学(担当:片平理事)

製品目線で10工程、360度カメラのビデオ作成。

  東海ガスのグループ企業で、焼津に工場がある。

 ミネラルウオーターの市場規模は、2020年にミネラルウォーター 2860億円

で、宅配水 1560億円で大きな市場である。宅配水の中でサーバーは、443万台あり、162万件がワンウエーボトルであり、回収リサイクルされるボトルは少ない。12で年間 165万本で回収している。ボトル自体を2030回リサイクルしている。富士宮に井戸があり、焼津で充填し、静岡県内6個所の配送拠点からている。60℃加熱殺菌で充填している。

製造工程は、10工程に分かれる。①プレリンサー最初の洗浄②微酸性電解水③デパイザー④外部洗浄⑤デパイザーボトル反転⑥投入前検査⑦ボトル洗浄機⑧ホット充填60℃ 検品⑨打栓⑩シュリンク等である。行程中でボトル反転や洗浄、搬送出荷にはロボットが使われている。一部省略

質疑応答の一部。 ・三次元の撮影されており、わかりやすかった。

2030回の使用して回収。記録されていないが、出荷から推定。廃棄は56年で行い、使用期間から23月から推定使用。

・品質管理は、目視と官能検査のダブルチェクで、検品している。将来は、機械で行いたいが、会員より、高解像度画像処理、センサーなど、色々と会員より提案されたが、現状では無理。

・回収廃棄は、汚れ、傷、ホコリ、有機物付着、油の付着は廃棄する。

・井戸水の変動はミネラル量、Na量の変動などの管理をしている。

・他社との優位性・・・ナチュラルミネラル、リサイクルは大手では当社だけ

 軟水系で、お茶を入れるとおいしい。企業秘密より一部を省略。

感想:12のボトルをリサイクル回収しているのは驚きであった。

この工程を作るには苦労したと考える。食塩を使った微酸性電解水は

多分、メーカーとの共同作業で独自に開発されたと思う。

品質管理の官能検査は、目視と臭いの検査は現在ではベターと思う。

工場見学もWEBで出来ることが、便利になったか。以上文責鈴木修武

ベランダのイワチドリ(コケダマに着けた)
庭のイワチドリ(イワヒバと共存)
庭のイワチドリ(軽い岩生育)
庭のヒメウツギ(卯の花)

株式会社イルローザ様 オンライン工場見学(担当:久保理事) 協力 徳島大学デザイン型AI教育研究セン

 徳島市にある洋菓子、焼き菓子、アイスクリーム、パン等の製造販売会社

 従業員 約50名(海外含む) 創業昭和51年 2015年よりHACCPを取り組み

 中。生協、成城石井などに納入実績 現在地元で製造販売

 無添加で、地元素材にこだわり、地元の食材やヨーロッパより取り寄せ素材も

 使用。国内産小麦、徳島産牛乳、鳴門金時、和三盆糖、木頭ゆず

 国産イチゴ、徳島産の天然水、ブルーベリー(無農薬、無除草剤)、

和栗(一部HPより記載。)

HACCP 2015年以降 ○○環境の技術指導を受けて、承認準備段階。

デジタル化をする方向。記憶と記録が違い部門間の承認を得てまとめる。 

アプリを使い手順を検討中。部門間と部門長の承認、現場の課題と部門の承認。

ラスク:生地⇒ラスク⇒ホイロ⇒ラスクオーブン 不良品頻度は、焼き過ぎ>練り直し>生地ムラなどが多い順  出荷分のパンを約〇〇%

いもあん⇒ニーダーで錬る。カスタードクリームは、手作りの方が早い

バームクーヘン 〇〇℃から○○温度で ○○分で焼き上げる。

 機械は、〇本作りであるが現在〇本で作っている。端は、B級品として直接販売。機機械の故障はナシ

 マンマローザ 温度が上がるとタレル 冷蔵保管対応

 ラスク イーストは生き物 温度と湿度 調整する。

 ロールケーキ ミキサーは海外製のクビ振りミキサーを使用

フルーツケーキは、イチゴが人気 4月で終了

チョコレートケーキ等 ・・・超音波切断している ⇒機械だけで切断

アーモンドは、自家粉砕⇒昔、顧客の技術援助で、注文生産だと品質が劣化して

 前日発注し納入解決した経験がある。この工程は非常に良い

HACCP対応 県レベル ○○〇の外部の専門業者と取り組み

成城石井と商品開発して貴重な経験をした今後の展開に自信。

商品開発は、自社開発専門家の助言もあり。

イスラム教のハラール対応は、コンタミの問題でハードルは高い。

アジア圏への輸出 現時点では賞味期限で限界 ○○日くらい取り組んでも○○

日。客の要求は半年から1年。輸送のコストと販売手数料 ネック

農産物の内製化をしたい。 柑橘類はJA加工業との賞味期限で課題なんとかクリアしたいがハードルが高い。 地方活性化として取り組みたい

社員教育 フランス研修非常に良い 安全教育 :社内教育をしている

衛生・環境教育 モニタリングで付着菌、浮遊菌など上記○○〇外部委託

商品開発:社内開発 外部の助言あり

包装・デザイン⇒デザイン担当 外部アドバイサーあり

5Sから行い、改善して品質管理を部門ごと行い、部門長が会社全体を

クレームは、○○件/月 非常に少ない印象

感想:WEBの工場見学でしたが、よく考えて運営をしている。非常に勉強になった。

地方活性化を出して、農業を含めた食品産業で活性化できることを確信

台湾、ベトナム等海外との差別化は、地方にあるか。インバンド対応にもなる

マンマローザ等の試食してみようとバラエティーキフトを発注した。

食べるのが楽しみ以上  

 

イワチドリ 自宅の庭
ヒメウツギ(自宅庭)
アズママンサク(自宅庭)
十字架植物(ベランダ)

講演2:「超高齢化社会における抗炎症サプリメントの活用 ― フラボノイドとビタミン関 連物質の有効利

新聞でみたが、仙台市内の青葉山駅の近くに東北大学レジリエント会社機構イノベーションセンターを作った。そのベンチャー企業として設立した。大学発、地方発、ベンチャーDBがあり、大学発ベンチャーである。

事業内容は超高齢化社会に対応するスマートエンジニアリング素材・食品開発、農林水産資源を活用するために技術・商品開発。以下略 HPより

〇天然物フラボノイド:タキシフォリンを活用した食品・サプリメントの開発・販売

〇タキシフォリン90%品の販売

〇健康栄養成分の調査・研究

〇次世代放射線分析の測定代行 などを通じて、超高齢化社会の延伸に貢献。

 

タキシフォリンの紹介・・・㈱DHQラビトール技術資料より引用

安全性承認 日本、アメリカ、欧州の認証されている。

 

  1. タキシフォリン 機能性 と抗酸化性

抗酸化力・抗糖化力⇒抗炎症作用、血流改善作用  予防と改善

抗酸化力 酸素ラジカル消去能:ORACの比較

    物質名    ORAC(μmoleTE/g)

  タキシフォリン  15155

  ケルセチン    10900

  ビタミンC     2100

  ビタミンE     1300
2. タキシフォリンによる健康機能性

   上記の抗酸化力・抗糖化力より予防と改善がある。

   糖尿病、認知症、肺炎、高血圧、肝臓病、腎臓病、心臓病、癌、ウイルス

3.商品名は、ラビトール

 カラマツ木部由来フラボノイド タキシフォリン高濃度規格化原料

DHQ社が総輸入先 エゾマツ(トウヒ属)から抽出

タキシフォリン含量規格 90%    一部省略

  1. タキシフォリンの構造と抗酸化作用

   ケルセチンと似ている    ORAC値の比較  1.を参照

  1. タキシフォリンとケルセチンの抗酸化力・ラジカル消去能の比較

  図で説明された ケルセチンより効果大

  1. タキシフォリンの抗炎症作用

  ・毛細血管の透過性低下による溢出反応の抑制

  ・炎症・アレルギー反応に関与する酵素系の阻害

 ・炎症性伝達物質(ヒスタミン等)の抑制

 ・キニン、炎症性プロスタグランジンの作用制限 一部省略

  1. タキシフォリンの抗ウイルス作用

   効果があった。資料の一部省略

  1. タキシフォリンの抗ウイルス作用(既知情報)

   コクサッキーウイルス  への効果 、エボラウイルスへの効果 省略

9.話題のファイトケミカル「タキシフォリン」

  世界的な工業的規模の製造やサプリメントなど食品として使用

  カラマツから抽出されたタキシフォリンが唯一

  ロシアで開発されたタキシフォリン製剤

   ・肺炎による虚血の治療

   ・生活習慣病(糖尿病、動脈硬化症、高血圧症等)による炎症の治療

  日本には2005年 輸入販売元㈱DHQ社

   一部実例を紹介 省略

10.まとめ

  ロシアからの情報 ・上記の説明

   ・安全性が高い ・抗新型ウイルス活性の6論文の報告・日本において食品として使用の可能

 

   感想:以前少し健康食品を研究しており、資料を見たが、実験データで理解できないか不明の点が多かった。抗酸化物質が多数に市場にある。これらの商品と競争するには、差別化と特徴がほしい。ロシアや中国で医薬品や食品として販売されている。実感として、大学の先生もベンチャー社長になる時代になったか。約5年前、出身大学の先生は、ベンチャーで販売するテーマと言えば、関心がなく、教科書に記載されることを希望していた。時代はここまで来たか。以上 文責鈴木修武
高山性さくらそう
京都さくら
咲き掛けチューリップ

食品技術士センターの令和4年3月のオンライン講義:概要と感想                  「ア

 講師紹介 味の素㈱ アミノ酸関係を担当

  1. アミノ酸の機能

20種類のタンパク質構成アミノ酸+タンパク質をしない構成アミノ酸

核酸⇒ペプチド タンパク質

 神経伝達、ホルモン、サイトカイニン、構造形成、消化・代謝酵素等機能、エネルギー産生、生体制御、輸送がある。

  1. アミノ酸の構造 

 α、β、γ-アミノ酸がある。また、L及びD体のアミノ酸がある

3.各種アミノ酸の等電点と疎水性

  アミノ酸により水への溶解性、安定性がある。タンパク質内部の構造を形成する。アミノ酸によりうま味、酸味、甘み、苦味がある。各アミノ酸をマップがある。(一部省略)

  1. アミノ酸の工業的な製法の変遷

 1.抽出法  ・天然物からの抽出・タンパク質の加水分解

 2.化学合成 DL L体の結晶による光学分離・+酵素反応による光学分離

 3.アミノ酸を生産する微生物の育種、培養 

   私が、50年前に大学で講義されて非常に興味深かった。

  1. グルタミン酸ナトリウムの抽出法による工業生産(19091960

池田博士と味の素 鈴木三郎助よる工業的な生産される

小麦グルテン+脱脂大豆⇒塩酸加水分解⇒ろ過 ⇒グルタミン酸塩酸塩結晶分離⇒中和⇒グルタミン酸結晶晶析分離⇒活性炭素脱色・濃縮

⇒グルタミン酸Na結晶  合成法など一部 省略

  1. 発酵法

グルタミン酸生産菌の発見(1956) 協和発酵工業 木下祝郎ら

  図など一部省略 以下35枚の省略

50年前の学生時代には、抽出法から発酵法への転換は驚きであった。

  図を省略 グルタミン酸の発酵の新規代謝や発酵効率など

 

  1. アミノ酸の分離精製技術

・電気的な性質の利用:イオン交換樹脂、膜

・分子の3次元構造の利用:結晶化(晶析)の利用

・分子量の差(分離膜)利用

・疎水性の差(合成吸着樹脂)の利用

  1. イオン交換を用いたプロセス例;飼料用リジン

  殺菌後、リジン発酵液⇒菌体膜(MF)分離⇒陽イオン交換樹脂⇒

濃縮⇒PH調整 リジンのHCL化(塩酸処理)⇒リジン塩酸塩2水和物結晶⇒乾燥⇒塩酸塩無水物

  1. 結晶化(晶析)

・アミノ酸の製品形態が結晶である意味

   ⇒保存安定性   ⇒高純度の証明

・アミノ酸結晶の特徴

  分子結晶:アミノ分子が3次元的に規則的配列

  溶液の成長;融液、気相成長はなく、大部分が水溶液の溶液成長

  結晶多形:同じ分子が配列しても、別の配列のの仕方を形成、溶液度が異なり、転移が起こる

  水和物結晶;結晶中の溶媒成分(主に水)を含む結晶が多い。結晶水が多い

  ・アミノ酸結晶を形成する力

  1. グルタミン酸Na分離精製の一例(図省略)
  2. L-グルタミン酸NaH2Oの外形と面指数  以下数枚省略
  3. 新時代のグルタミン酸製法

   グルタミン酸発酵は、PH7.0で行っていたが、発酵液に酸を入れてPH3.2として結晶を取得⇒酸性で実施できれば、結晶の酸が無駄にならない

   新菌の条件:低PHで生育可能 グルタミン酸濃度に耐性がある

     ⇒静岡県の茶畑土壌から採取  

   分子育種;各種条件 省略。この菌でアンモニア量を40%、酸の量を80%まで低減

  1. まとめ

・分子の構造の差を利用する:分析化学と表裏一体

・安全性を決定;菌体タンパク質(アレルゲン)、ペプチドグルカン(発熱)、DNA、変異現性物質、その他の不純物

・環境負荷を決定:殺菌、濃縮エネルギー、排水処理、菌体等副生物処理

・競争力を決定:使いやすさ、、効能(医薬の場合)溶解性、保全性、粉体特性、造粒性、均一混合性

・コストを決定:培養より機器点数が多く、単位操作の種類が多い、高付加価値部分を扱う

 ⇒分離精製技術はバイオ製品の競争力の源泉

  分離精製技術者は生産プロセス全体観を養うことができる

・分離精製技術の将来⇒ますます重要度増大⇒スマート分離精製技術の進化   一部省略  以上

 

感想:アミノ酸の精製技術を垣間見た。日本のアミノ酸業や食品産業の技術の大切さがわかった。50年前アミノ酸は抽出から発酵法になり、アミノ産業は日本の食品・医薬品等の競争力を感じた。だが、現在は海外に生産現場は移っていることは残念である。以上

 

                

 

 

 

だれでもどこでもサラダ菜を作って免疫力を高めよう!!技術士(農業部門) 鈴木 修武

 江戸時代から続く生家は、戦後からボカシ肥料を作って茶、野菜などを栽培していた。レタスをお土産に社宅へ持って行くと子供達が甘くて美味しいと食べたと聞いた。近隣の老人達を集めて、上記の永谷平戸川端講習会をした。バカウケであった。野菜の種から芽が出る。成長する。自家栽培試料のサラダ菜を配ればみんなおいしいと言った。横浜のベランダと狭い庭で色々なサラダ菜を栽培して食べている。おいしい野菜は体に良く、免疫力もアップするか。

  1. 免疫力は、17~18歳でピーク、後は減少のみである

 仲間の勉強会で、芦刈医師に「玄米による認知症予防」を聞いた。運動・栄養(野菜、魚を中心の食事)・ストレスから解放して明るく生活・脳トレ・医療で定期健診 とこんな仙人みたいな生活ができるか?「ガン予防の5箇条」をどっかで聞いたことがある。それとあまり変わりなかった。「からだと免疫のしくみ」(上野川修一著、日本実業出版社:原著Goldstein.A.Lら)で、免疫機能は、10代後半がピークで年齢とともに低下し、感染症、ガン等にかかりやすくなる。65歳以上は、コロナにかかると死亡率が上がるよ。これでは外に、旅行に、外食に行けないわ。ストレス発散で散歩する。仲間を集めて講習会となった。

  1. ボカシ肥料は簡単に作って、サラダ菜栽培して食べる

 伊勢原の友人が、農業事故で魔法の肥料の提案がなくなった。自称魔法の肥料で、世間ではボカシ肥料と言っている。実兄が田舎で農業を50年前から行っており、横浜で出来ないか実験した。菜種カス、米ぬか、骨粉等入り原料を使い、市販農業用の麹、納豆、乳酸、酵母各菌等を配合した。室内で、15ℓポリバケツを使って全試料を入れて、ペットボトルの湯たんぽと使い捨てカイロで温度調整して成功した。この肥料を栽培に使うと美味しく野菜も容易に作れる。魔法の肥料は、土壌微生物が活性化するので、作物は良く育ち、美味しい野菜もできる。なぜ美味しいか? 肥料中の蛋白質を微生物が分解して、アミノ酸やペプタイドなどを作りこれらを植物が吸収するらしい。これを知っていたので実践した。20年以前に仕事仲間と「生ゴミ分科会」を作って、ゴミ減量に提案した。多分、清掃組合に反対されて有機肥料計画は頓挫した。EUでは生ゴミ、食品、畜産、農産各廃棄物、街路樹、道路雑草などを使い大型有機肥料工場(政府の予算)で肥料を作り、運転費用は肥料を売って経営している。日本の様に縦割りで、省庁別に個別に処理しているので、成分の多様化と水分調整でうまくいかない。市町村の焼却場が多いのはそのためである。当時、水分を減量させた家庭用生ゴミを、微生物を使って経験しており今回は菜種カスにした。サラダ菜は、都会でもできる。筆者は、半坪の庭とマンションのベランダで、18種類のサラダ菜とサニーレタス、キュウリ、ミニトマトなどを魔法の肥料と化成肥料、鶏糞と市販培養土を用いて周年栽培のノウハウを得た。サラダ菜は、イソチアネートオウ一杯の辛い黄からし菜、ハーブ系ルッコラ、中国野菜のターサイ、水菜、ビート等色々な野菜が収穫でき食べると美味しさと触感が違い驚嘆する。ブロッコリーやホウレンウも生で食べられ、キャベツは、葉や若い花、新芽の食感と味は、新鮮野菜の醍醐味である。散歩仲間に提供すると自分で作りたい人達がおり川端講義になった。

 3.花はなぜ美しいか。植物はなぜ、体に良いか

 「植物はすごい」(田中修著・中公新書)によれば、植物の祖先は、海から陸に上がった時に太陽の強い光を浴びて多くの光合成している。植物でも人間でも紫外線で活性酸素ができる。この活性酸素を防御するために色素と言う抗酸化物質を作る。美しい花は、色々な色素を作り防御すると同時に昆虫や人間の役に立つ。動物も植物も酸素呼吸をするので、活性酸素ができる。植物の体や種を守るための抗酸化物質を人間が利用しているだけである。抗酸化物質にも種類が多く、トマトの赤のリコピン、ナスの紫のアントシアニンも、オレンジのカロチン、ニンニクの白のイソフラボン、ホウレンソの緑のルティンもみんな抗酸化物質である。日経で売れている本が紹介されていた。「食べる投資・ハーバードが教え世界最高の食事学」(満尾正著・アチーブメント出版)によると、現代人には、「栄養」と言う投資が足りない。納豆、食物繊維、魚を、1日4色の野菜を。甘い飲料、糖度の高い果物・野菜は禁止。読んだら、筆者の日常の食事であった。提案で頂けないのは、ココナッツオイル、亜鉛、マグネシウムのサプリメントであった。皆様、どのように思われますか

さくら満開
たちつぼすみれ
ネジバナ

4 がんゲノム医療の新しい時代 胆膵癌に対する遺伝子検査を用いた個別治療の可能性  東大病院 外来化

4-12 遺伝子とは、遺伝子・エクソン  省略

4-3  遺伝子異常の種類について、

・非同義体細胞変異 ⇒ 異常なタンパク質

・融合遺伝子⇒結合したタンパク質(機能異常が伴う場合が多い) 

・遺伝子の増幅⇒タンパク質の過剰発現(機能促進)

・遺伝子の欠失⇒遺伝子の消失(機能低下)

 4-4 がんと遺伝子変異の関係

 正常な細胞⇒遺伝子に傷がつく(変異)⇒がん化

がん:遺伝子異常により異常なタンパク質が産生。これらが蓄積すると、細胞が無秩序に増殖

 4-5 タンパク質の機能

 ☆細胞を分裂させて増やす機能(がん遺伝子:KRAS

 ☆細胞増殖を抑える機能(がん抑制因子:TP53

 ☆臓器や体の恒常性を保つために細胞死させる機能

 ☆DNAの傷(加齢、喫煙、紫外線などによる)を修復する機能

4-6がんと遺伝子変異の関係

☆細胞を分裂させて増やす機能(がん遺伝子:KRAS

 ⇒細胞増殖のアクセルを踏み続ける

 ☆細胞増殖を抑える機能(がん抑制因子:TP53

⇒細胞増殖のブレーキを踏めない

4-7 体細胞変異と生殖細胞系列変異の違い

  • 体細胞変異 ・がん細胞にのみ変異がある 遺伝しない
  • 生殖細胞系列変異

・生殖細胞=卵子・精子のこと 遺伝する

 ・血液を含めた体内の全ての細胞に変異を有する

4-8 がんゲノム医療とは

がんゲノム医療とは、患者個々のがん細胞の遺伝子変異(

体細胞の変異)を調べ、その遺伝子異常に応した治療(

主に分子標的薬)を行うこと。

4-9 抗がん剤と分子標的薬の違い

 抗がん剤 ⇒正常細胞とがん細胞 に作用 副作用が強い

 分子標的薬⇒がん細胞に作用

4-10 分子標的薬のメカニズム 複雑で省略

4-11 がんゲノム医療とは

 ☆がんゲノム医療を行うために、20186月より本邦でも 保険適応されたのが「遺伝子パネル検査」

 ☆ヒトの2万個の遺伝子を全て調べる訳ではなく、癌に 関係する数百の遺伝子を調べるのが「遺伝子パネル検査」

4-12 遺伝子パネル検査の適応

  • 標準治療がない、又は標準治療終了見込みの固定癌
  • 原発不明癌
  • 希少癌
  • 本検査施行後の化学療法に耐え得る体力が十分にある方

(一般的には予後3ヶ月以上見込める方)

 4-13 遺伝子パネル検査の種類  省略

 4-14 遺伝子パネル検査のまとめ

 ☆腫瘍細胞の遺伝子変異(体細胞変異)を調べ、その遺伝子に応じた治療(分子標的薬)を検討することを目的としている

 ☆一般的な治療の選択肢が広がる確率は10%未満(本邦からの報告では3.5%)

 ☆生殖細胞系列変異が見つかる可能性あり(遺伝子カンセリング検討)

 ☆費用56万円(保険適法)⇒検査提出8万円+効果説明48万円

 ☆結果がでるまでの期間:6週間程度

感想:遺伝子治療が万能だと思ったが、そこに行くまでのハードルが高く、別の講演では待つことが長く、その前に諦めや死亡例があり、約1割程度であった。分子標的薬適用はすぐには出来ないみたい。色々な癌治療を紹介された。治療の多様性を知ったのは良かった。以上文責鈴木修武

 

3 胆道癌に対する新規化学療法の開発 東大病院消化器内科 高原 楠昊先生 

 3-1胆道癌とは、

・胆道系に発生する悪性腫瘍 

・発生部位に応じて以下に分類される

 肝内胆管癌、肝外胆管内(肝門部領域・遠位胆管癌)、胆嚢癌、十二指腸乳頭部癌

3-2胆道癌:日本における罹患者数・死亡者数

 罹患者数 15位 22201 死亡者数 6位 17924

・日本におけるがんの5年生存率

胆道癌は、5年生存率が20%で、膵臓癌の次に低い。

3-3年齢調整死亡率の年次推移;胆道癌は減少傾向

・胆道癌の疫学;胆内胆管がんは増加傾向

3-4胆道癌の危険因子

 肝内胆管癌{非アルコール性脂肪肝炎、肝硬変、肝内結石、化学物質(ジクロロメタンなど)、肝吸虫}一部省略

 肝外胆管癌{膵・胆管合流異常、化学物質(ジクロロメタンなど)肝吸虫}一部省略

 胆嚢癌(膵・胆管合流異常、胆嚢結石、サルモネラ感染、胆嚢脾筋腫症)

十二指腸乳頭部癌 疫学的なエビデンスのある危険因子の報告なし 一部省略

3-5胆道癌の初発症状 

肝内胆管癌(無症状採血・腹部エコー異常)腹部違和感、黄疸

肝外胆管癌(黄疸90%、体重減少35%、腹痛30%、無症状

・胆嚢癌(右上腹部痛(5080%)、黄疸(10-40%)一部省略

・十二指腸乳頭部癌 黄疸(72-90%)、腹痛(65%)

3-6 当院における胆道癌の内訳 2010から2021 (563例)

 肝内胆管癌 23%、肝門部 24%、遠位 21%、胆嚢癌22%、乳頭部 10%   一部省略

3-7 症例 75歳 女性

 特記すべきが既往のない75歳女性 倦怠感・褐色尿、腹部エコー など胆管拡張を指摘

 CTにて胆管癌疑い 精査加療目的に当院紹介初診 検診省略

3-8 胆道癌に対する化学療法 症例の治療 省略

切除不能・術後再発・・・一次治療 2次治療

切除可能例・・・術前補助療法 術後補助療法

3-9 結語

・胆道癌は比較的まれだが、難治癌の代表

・切除が第一次

化学療法の選択肢が限られている

・黄疸・胆管閉塞のマネジメントも重要

・高危険群の囲い込みによる早期発見法の確立

・ゲノム解析等に基づく治療法に期待

感想:かなり難しい治療法を提示されたが、難解であった。

かなり診断の画像は省略した。診断例や治療方法を垣間見た。

以上文責鈴木修武

2 膵癌の集学的な治療の最前線 東大病院消化器内科 齋藤 圭 先生

2-1 なぜ 難治癌といわれるのか

・遠隔転移が起こりやすい

・自覚症状に乏しく、早期診断が困難(手術適応の方が少ない)

・手術を行っても再発率が高い

・効果的な抗がん剤が治療の選択肢が限られている

2-2東大付属病院の膵癌初回治療法

 抗がん剤 治療 58% 手術 27% 無治療 15

抗ガン治療のアルコニズム 膵癌のガイドラインがあり沿って治療する。

2-3膵癌の病期があり、ステージ12 切除可能・ステージ3 切除可能境界 ステージ34 切除不能 である。

2-4膵癌の病期と治療法 

切除可能⇒外科切除 切除不能⇒化学療法

時代が進み、切除可能境界⇒術前化学(放射線)療法が加わり2-4に展開する。膵癌の診断契機 1に記載

2-5 サポーティケア

腹背部痛(癌性 痛)⇒緩和治療 体重減少、食欲不振⇒栄養治療  黄疸⇒胆道ドレナージ(内視鏡治療)血糖値の悪化⇒血糖コントロール(糖尿病代謝内科)

2-6 集学的な治療

 抗ガン治療 外科切除 サポーティケア の組み合わせの治療

2-7 膵癌の抗がん剤治療と外科手術

 切除の生存期間中央値 63.1ケ月 抗がん剤 13.5ケ月

で切除が生存期間を長する。

2-8以下 具体的な治療 複雑で省略

2-9 チーム医療

主治医、看護師、緩和ケアチーム、薬剤師、栄養士、他科の医師

患者とその家族 チームを組んで行う。こんなに関係者がいるのだとびっくりした。

2-10 Take home message 

・色々な抗がん剤により膵癌に対する抗がん剤治療の効果が増している。

・術前化学療法によって治療効果が得られれば、外科切除ができる可能性が高まる

・高齢化社会に向けて、高齢者に対する適切な治療選択法が望まれる

・食品では、栄養状態や筋肉量の維持・向上は、治療効果に影響する。感想・・・蛋白質など栄養を充分に取ると栄養状態が向上して、体力が向上して、手術できる状態になる。以前、良く食べつと術後の回復が早いことを聞いたことがある。

感想・・医学の進歩が進んでいる実感 以上文責鈴木修武      

1. 膵癌の早期発見に向けて東大病院消化器内科 水野 卓 先生

膵臓は胃の後にあり検診でわからない。膵臓癌は予後不良な難治癌の代表である。17の癌でも、膵臓癌は、5年生存率が8.5%で、最低で、担道がんの次の最低。膵臓癌は、肺がん、大腸がん、胃がんに次いで第4位に急激に増加している。

1-1膵臓癌はなぜ予後不良か?

・原発巣が1cm以下でも10%弱が遠隔転移する。

・診察時の約8割は手術適応外で手術が出来ない。

・半数以上が術後再発する。

・有効な抗がん剤が少ない などの理由がある。

私の仕事仲間も75歳で亡くなり関心が高かったので聴講した。

1-2膵臓癌の予後を向上させるには・・・

早期発見、術後再発率の低下、より有効な抗がん剤治療である。発見時の有症状73%・(腹背部痛34%、黄疸23%、食尾不振6%体重減少6%など)と無症状27%があり、症状にでないことが多い。無症状のうちに診断することで予後が向上する。無症状は、生存期間21.1か月、有症状は9.8ケ月で、無症状は外科手術が多く、生存期間の中央値が長い。これは、診断契機による。無症状27%(ドック・検診4%、DM(糖尿病の略)悪化5% 新規DM2%)である。

1-3膵臓がん早期発見の糸口は、糖尿病、膵嚢胞、ドックであり、

新規糖尿病の原因で膵癌になる。約半数が糖尿病を合併する。

糖尿病と診断された直後が高リスクであり、1年以内が約6倍で1年以上が1.52倍である。糖尿病悪化と体重減少は要注意である。75歳女性の病例事例は、ヘモグロビンA1C8.5から急激に10になった。60歳から糖尿病を治療して造影CT検査で発見。ERCP検査(内視鏡胆道・膵臓を造影検査)により発見。一部省略

糖尿病に着目して膵癌を発見するために 診断から12年、コントロールの悪化と体重減少に注意する。

1-4膵嚢胞から早期発見の糸口は、膵嚢胞から膵癌になり易い。一部省略。内視鏡エコーで発見できる。膵嚢胞を指摘されたときに、すでに膵臓癌を合併していないか精査を。ガイドラインに従って経過観察。人間ドックには、腹部エコーには死角があり、MRI/MRCP、ダイナミック造影CTとの組み合わせが必要。MRI/MRCPによる5296例で膵臓癌3例、膵嚢胞 13.7%(724例)で意外に少ないと思った。

1-5まとめ・無症状で早期発見することで膵癌予後は向上する。・糖尿病の新規発症・増悪は、早期発見の糸口、膵嚢胞を指摘されたら、精査。・経過観察を・MRI/MRCPを用いた膵癌ドックが有効な可能性がある。専門外で難しかった。

3題あり順次公表する。以上文責鈴木修武

食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想(その2&3)

 中村 卓 教授 明治大学農学部農芸化学科 食品工学研究室

動物性食品の「それらしい」食感の見える化 ~プラントベースフードへの展開~おいしさを食品構造から追及・・・おいしさの見える化

 食品成分は蛋白質、脂質、多糖類など複数成分からできる。加工により食品構造を作り不均一になり構造観察や官能評価をする。視覚化や数値化して、メカニズム解明をするが、破壊や咀嚼により食感発現や風味の放出をすることで変化する。食品構造の制御により、おいしさをデザインすることができる。

食感の変化により風味と食感のハーモニーができる。動物性食品を使って

おいしい食感を測定して植物性原料素材で作った食品との差の明確化する。

これらは、類似構造の形成と破壊により、食品らしい美味しい食感を測定する。食品のおいしさは、時間軸と口腔部位との粘弾性、摩擦や潤滑により、食品の構造が変化しかたさ、ねばり、付着により判定する。求められる食品属性⇒健康、機能性食品・・・分子生物学になり、おいしさ・・・・脳科学や認知生理学になり、おいしさの嗜好性は親近性(安心)・・・・なじみのある物と新奇性(興味)・・・変化・複雑で刺激性がありおもしろさやワクワクするからなっておる。

食感は知覚レベル(物理的な)と認知レベル(感性的な)で力学的な特性と構造状態の組み合わせと変化で時間軸と口腔部位で感じる。開発目標は、おいしさの感性表現:オイマトペ(擬態語)・口どけが良いとの評価になる。テクスチャー用語は、早川らによれば、445語になり、1.力学的な特性(3082.幾何学的な特性(1353.その他(油脂と水)73に分類される。テクスチャーの評価で、咀嚼と口腔構造が大きくかかわり、咀嚼の種類(舌と口蓋で押しつぶす)、切り歯(前歯でみ切る)印歯(奥歯で砕く、錬り押しつぶす)で評価する。

  • ハードヨーグルトを使ってB.Cで官能試験を行った。(男性4名女性8

名)  クリーミーな食感の主性成分で、力学、幾何学の特性でマップを作り、A.B.Cはかなり異なった。官能評価において、口どけの良い時間軸と口腔内の力学的特性と構造状態が違ってくる。

  1. 市販プロセスチーズを視覚的なおいしさを試験した。目的は、物性測定と官能評価から糸曳きの伸長距離や見た目の差異を明確化するとともに、未加熱/加熱溶融/伸長時の構造観察から糸曳性と微細構造の相関を明らかにする。こととした。ABCの試料を使った。

物性測定<糸曳性試験>使用機種 横型電動測定スタンド ML-1000NE㈱イマダ)を使った。チーズを加熱放冷して引張試験をした。その結果、伸長距離はA>B>Cで、糸曳性の見た目は、Aはかなり糸を引き、Bは少しで、Cは膜状になりあまり引かなかった。官能評価は、嗜好性は、A>B>Cで、AとBは好きな糸曳で伸長距離が長く、糸状に伸びた、Cが、嫌いな糸曳で、伸長距離が短く、膜状に伸びた。

構造観察(未加熱)は、成分分布観察をCLSMで行った結果は、脂肪球の大きさはABは大小様々で、Cはより小さい。脂肪球の分布は、Aは、層状、Bはランダムで、Cは、全体に分布していた。微細構造観察は、SEMを使った。省略 結果と考察。Aは未加熱では繊維状構造あり、脂肪球は大小様々で連になっていた。加熱溶解では、Aは脂肪球が溶けて重なって穴があいて、加熱伸長では穴が伸びていた。糸曳性は長く糸を引き、粒状であった。

Bは未加熱では繊維状構造あり、脂肪球は大小様々でランダムになっていた。加熱溶解では、Bは大きな脂肪球が溶けて穴があいて、加熱伸長では連続に亀裂ができ、穴が丸くなった。糸曳性はより短く糸状を引いた。。

Cは未加熱では繊維状構造なし、脂肪球は小で全体にあった。加熱溶解では、Cは脂肪球が溶けた穴がなく、加熱伸長では穴がなく、糸曳性は短く、粒状であった。

市販のアナログチーズを行った。試料はH(乳等を使った食品)T(豆乳加工品)S(油脂加工品)で植物油脂や乳蛋白、豆乳、澱粉を使って、添加物を使っていた。植物性チーズは、脂肪球の大きさや乳化状態における脂肪球が小さく、連続層の成分変化を変化させることで、嗜好性が高く動物性チーズ特有の糸曳性を付与できる可能性がある。

感想:食品構造工学からおいしさの食品構造から追及した研究であり、かなり革新的である。おいしさのデザインすることが、人間の感覚や官能試験を物理工学的な観点からの研究で目からウロコであった。

③木崎 玲奈 氏 学生  市販品ドリンクヨーグルトの完成食感の見える化

市販品ドリンクヨーグルトが近年市場が拡大している。そこで食感をデザインするために感性食感と物性・構造の関係性理解が重要である。物性・構造観察から見える化をする目的で研究した。市販品11種類からさらさらヨーブルトA、ふわふわヨーグルトB、とろとろヨーブルトCを使って測定した。結論から述べるとAは、ランダム上の密な構造で低い粘度で、BCは、ストランド状でネットワーク構造を示す。BCの違いは、分岐点が多く密であり、口腔内での広がりにくさを持ち、厚みがあるからふわふわの食感がある。Cha,空隙性が高く,粗であるから粘度が高く、とろとろの食感になる。異なる感性食感をもつドリンクヨーグルトは、粘度の違いや蛋白質のネットワーク構造の違いがことなった。分析した結果、物性と構造から見える化できた。(一部資料を省略)

成分分布観察には、共焦点レーザー走査顕微鏡CLSMを使用し、微細構造観察には走査型SEMを使用し、タンパク質ネットワークの定量分析は、Angio

Toolを使用した。この装置は脳検査の空隙の使われている。

感想:中村教授の生徒で市販品を食感から見たもので新しい知識を得た。

食品は、五感から感じて相互的な感覚である。商品開発を行った技術者として一番悩んだことだった。今からなら新しい感覚で出来る可能性を持った。

★★図がないと理解できないが著作権から割愛した。以上文責鈴木

食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想(その4) ①

カネカ会社の説明があり、マーガリン・ショートニングの部門で製パン市場にカネカ食品より販売している。

業務用マーガリン マーガリンは、1969年ドイツフランス戦争でバターが欠乏した時に牛脂に牛乳を加えて乳化冷却し作られた。日本では明治41年に作られた。バターは、自然な風味で、季節的な作業性が異なり、kg単価も1000~1500円で供給にバラツキがある。 マーガリンはバターと香料で味を付けて用途に応して調整可能である。400~1000円、安価で安定的な供給可能である。とうもろこし、大豆、パーム油、ココナッツ、米等の植物油から作られ、油、水、乳化剤などを添加し、混和、冷却され、錬りを加えて軟化、均質化を図る。用途で、ブロック状、流動状、シートやチップ状に加工される。家庭用はカップに入れる。用途別に温度別に物性が細かく調整して、融点が20℃前後で、油脂の可塑性を有する範囲で調整される。マーガリンの硬さは針入度計で測定され、コーンを落下させて落下した距離を測定する。

業務用マーガリンは用途別に、使い易い高度があり、練り込み、ロールイン、スプレット、バタークリーム用に針入度が違う。また、物性の季節管理をして、ユーザーの作業温度に合わせて配合を決める。パンでのマーガリンの働きは、生地をまとめソフトな食感を付与する。マーガリンは5~6%配合される。パンの外観、食感、風味を改善する働きをする。5%前後の添加量が良く、これくらいがソフトで口どけも良い。パイやデニッシュでは生地とマーガリンの層を作ると良いパンができる。マーガリンの物性がデニッシュを美味しくする。

焼きたてバンは、当日の日持ちを求め、職人不足による作業性の簡素化が求められ、れいとうしても発酵力を維持するペーストの冷凍生地の配合処方のかいはつが必要である。

量販店やCVSで販売される袋パン(ホールセールベイカリー)は、3~5日の流通で、パンの食感がソフトで、老化を抑制し、ソフトを維持し、パンの物性改善(やわらかさの付与、老化抑制、賞味期限延長)が求められる。

現在の開発目標は7日を経てもパンの柔らかさを維持する練り込み用マーガリンが求められ、ポイントはパンを柔らかくし、老化の進展を抑制し、使いやすいことである。高加水パンが流布している。従来のパンは水分70%でふわもちであったが、80%むっちり90%もちもち100%ぷるもちが流行している。この人気の理由はのど越が良く、澱粉の自然な甘み、もっちり食感が良い。会社の取り組みとしてパンの通信販売サイトを開設して遠隔地の有名バーカーリーのパンも自宅に届くようにして、パン業界の活性化に寄与している。

感想・・・・昔、付き合った古くて新しいパン業界を知った。高加水は救世主になるか注目。文責 鈴木修武以上

箱根・彫刻の森
MM21
お祭り・ブラスバンド

食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想 演題:酒類の官

食品技術士センターの12月のオンライン明治大学農学部農芸化学科共同講演会の概要と感想 演題:酒類の官能評価(その1.)令和3年12月25日

 宇都宮 仁 センター理事 日本酒類組合中央会理事 

酒類の官能評価(きき酒)とは、酒の良否を鑑定すること。

 人間の視覚・嗅覚・味覚・感覚を通じて酒を評価すること。清酒のき
き酒
法は、蛇の目ちょこで行う。他の酒ワイン・焼酎・清酒用褐色用の
グラスが
ある。 視覚は、色調・外観、着色の度合いを調べる。白磁の
部分で着色
の程度を観察する。清酒は熟成により色の変化がする。0年
では透明で20
年で薄い褐色に、26年で醤油色になる。蛇の目だと清澄
度がわかる。嗅覚
は、容器をそっと鼻に近づけて「上立ち香」を調べる。
次に少量を口に含み
すすった後に香りを鼻に抜いて口中の香り「含み香」
を調べる。官能検査の
分類は、・検査、特性評価型評価=分析型評価 
醸造技術者による評価。
・醸造技術者以外による評価・鑑定型評価が行われる。ビールやワイン、
酒のフレバーホイールがある。ワインや清酒は、官能評価標準試薬が
市販
されており訓練される。1911年以来、鑑評会があり新酒の酒質の
調査をし
て、年々比較して動向を把握する。審査員は、研究所職員、国
税局鑑定
員、地方公共団体の技術者、製造者の代表で行い、総合的な評
価や最近
ではプロフィル法を導入している。決められた用紙で、香りの
品質、華やか
さ、味の品質、等の総合評価で判断される。国際的にも例
えば、ブリュッセ
ル国際コンクールもある。ワインと清酒では異なり、
清酒独特のきれ:口中
の持続性の長さが好ましい日本酒の特性というわ
けではない。口の中から
さっと消えてしまうことが望まれる。きれが良
いと表現される。ネズミで試験
すると水より後味が消える?現象がある。

感想:官能試験は難しくかなり訓練が必要である。ドレシング類を開発
した
時に最終決定者でどうすれば良いか。売れる商品とはどんな風味か
悩んだ
ことを思い出した。文責鈴木修武以上

横浜MM21クリスマス
MM21赤レンガ
MM21ランドマークタワー

北海道の魚醤の試食と評価そして感想

北海道産魚醤の試食の評価と感想 令和3年12月17日

  今年の9月に地域素材を活用可能な異分野技術を導入した水産加工技術の開発 ~魚醤油への醸造技術的アプローチ~

 (地独)北海道立総合研究機構  吉川修司氏 の講演を聞いた。

そこで、興味を持ち、北海道より魚醤を入手し、試食をした。製法や詳しいことは上記参照を。

魚介類から作る醤油で、秋田(しょつる)、能登(いしり)、四国、千葉(こうなご醤油)、東南アジアなどでは、ベトナム(ニョクマム)、タイ(ナンプラ)、フィリピン(パティス)などがある。特有の臭気と濃厚な味を持っている。

私も40年くらい前にドレッシング類を作った時に、魚醤(国産、輸入品)を0.1%添加すると味には効果があったが、これ以上入れると特有の臭いで使えなかった。今回、北海道のマルテンから入手した魚々紫(たこ・えび・さけ・ぶっかけ各魚醤)の簡単な官能試験と試食をしたので、評価(中間報告)と感想を記載する。

原材料は、たこ魚々紫・・・たこ、食塩、米麹。えび・・・食塩、米麹。・さけ・・・食塩、米麹。・ぶっかけ・・・さけ、食塩、米麹、本みりん、カツオエキス、コンブ。で食塩はたこ、えび、さけ約16%、ぶっかけは、約6%で、コントロール(以下C)約16%として、正田醤油のこいくちしょうゆとした。評価は、思っていたほど濃くなく、濃さの順序は、ぶっかけ<たこ=コントロール<さけ<えびであった。写真参照。においはビーカーに入れて直接官能した。たこ(しょうゆのような香りすこし、たこらしいにおいもする)えび(しょうゆの香りが薄く、えびの臭いがするが、少し劣化臭がする)さけ(しょうゆの香りがするが、コンブも香り少しする)C(しょうゆの芳香の香りあり、アルコールの臭いがする。なじみの香り)

味は、1g+水道水9gを希釈して味わった。その結果は、たこ(かなり味が薄く、たこの味がしない)えび(かなり味が濃く、においが強く、えびの臭いと劣化臭がする)さけ(しょうゆを薄めた感じ違和感なし)ぶっかけ(味に広がりがあり、塩味が薄い)C(しょうゆの味と食塩の味が感じられる)

さけ魚醤とコントロールを豚カツに掛けて比較した結果、さけはうま味が感じられて良かった。〇。Cは、慣れているので良かったが、塩味が強く感じられた。〇 以下総合評価として、〇良い、△どちらでもない、×良くないで評価する。

さけ魚醤とコントロールを刺身盛り合わせ(カツオ、マグロ、イカ、サーモン)で比較した結果、さけ魚醤は、塩味が強く感じられた。評価は△、Cは、塩味が感じられるが醤油の味が感じられて良い。〇 

たこ魚醤とコントロールをてんぷら(シイタケ、ピーマン、カボチャ、人参のかき揚げ)した結果、たこ醤油〇、Cも〇。

えび魚醤とコントロールを鶏のフライで比較した結果、さけの味が出て〇、Cは、塩味を感じて〇。

結論として、刺身のような料理には合わないが、油で揚げた物は、魚醤の素材の味が出て良い。今後は煮物で試験する予定。以上

平戸永谷川のボケ
魚醤色の写真左よりC・さけ・ぶっかけ・たこ・えび
舞岡公園の雪ウサギ

食品技術士センターの11月のオンライン東京海洋大学産学共同講演会の概要と感想

松隈 裕之 氏  所 属 食品技術士センター 理事

インドネシア・アラフラ海のエビ資源に対する海洋学的考察と 現地日系合弁エビトロール企業の活動について ㈱トウスイに所属しているおり、上記の演題で講演したので概略を報告する。アウトリガー式トロールの漁法で、最も効率の良いエビ漁法である。船にトロール漁具を2つ付けて操業する。インドネシアの海域で1960年後半より大手水産会社で試験操業し、1974年より進出した。エビは年魚でライフサイクルは1年である。適切漁業管理すれば持続可能な漁法である。漁場では2ノットで2時間行い、10~11回/日行う。1隻につきトロール網を2個の曳網する。現場で回収し、サイズ選別して、グレーズ水を注入して、フリーザーで急速凍結し、カートン詰めし、魚槽の冷蔵庫に保管される。ウミガメや大型魚の乱獲防止処理されており逃がしてやる。アラフラ海は、タイガー種、バナナ種、エンラバー種ピンクやブルーテールが採れる。多にアカエビ、うちわエビ等も捕れる。世界の海老のトロール漁場は赤道直下が多く、8カ所に限られている。海風により海流の偏向があり、コリオリの力と言う。赤道付近の海流の流れは貿易風により複雑である。ニクヨン輸送やβ効果により赤道湧昇によりアラフラ海はエビの漁場になっている。2015年トロール禁止令で6年間の操業停止を得て2020年9月に資源評価を実施し、好成績を得て現在交渉中。

感想・・・水産物の海外での操業は難しい。国内外の操業も資源管理が難しい。

     技術者は、理系以外の感心が重要である。

  • 荒倉 夏海 氏 所 属 東京海洋大学院 食品流通安全管理専攻 修士2年

WST-8型バイオサーモメーターを用いた 福島県産ヒラメを対象とした鮮度の可視化

非公表につき 割愛

  • 関根 徹八 氏 所 属 東京海洋大学院 食品流通安全管理専攻 修士2年

Lacticaseibacillus casei 001発酵ヒダカコンブの 血圧上昇抑制作用とプロバイオティクス効果  非公表につき 割愛

  • 赤星 良一 氏 所 属 食品技術士センター 理事

優れた商品より重要な国際規格と法制度 ―日本人が勝つと変わるスポーツのルールもっと凄いことがビジネス界で起きている。 WTO(世界貿易機関)・・・世界各国が「自由」にモノやサービスなどの貿易ができるルールを定め、貿易障害中の削減や撤廃するため国間で貿易交渉を行う。例えば、日本製冷蔵庫の欧州市場からの如何に締め出された。配線のハンダがしっかりしており、製品の寿命が長くなり、売れたので、鉛がヒトと環境に有害であると理由で、0.1%以上鉛を使っている製品が環境保護の理由で販売禁止にされた。ルールの裏表があり、欧州のルールが中国、インド、アメリカにも適応された。鉛の代わりにレアアースを中国が使い、当時90%以上を市場を持っていた。中国は都合の良いルールであり、レアアースの輸出規制をして価格を釣り上げて多くの利益を得た。中国の生産量のシェアは7割で、価格も高騰した。

EUヘルスクレーム(欧州健康強調表示制度)2006年施行。2008年実施。ビタミン、ミネラル、食物繊維、脂肪酸などを承認し、ハーブをペンデングになった。評価委員が、医学薬学関係が多く、生化学系が皆無である。ルールを制する者が市場を制す。優秀な技術者になるための私からのメッセージ「優れた製品だけでは市場を作れない」日本は「ものづくり」に磨きをかけきたがグローバルな戦いには苦戦。優れた製品やサービスをみがくためには制度立案(法令、規制などの市場競争ルール)に勝たなければならない。

感想・・・・商品開発は、国内外の法令や環境問題、製造技術などの幅広い知識が必要である。以上文責鈴木

 

10月度食品技術士センターのオンライン講演会の概要と感想

食品技術士センターの10月のオンライン工場見学概要と感想

 

 オーストラリアヤクルトとマレーシアヤクルトの

オンライン工場見学(10月16日実施) 

 コロナの影響で講演会の中止になり、オンラインで海外工場見学会をおこなった。両工場は、あまり時差がなく現地との調整されておこなった。

 コロナ下で、現地でも工場見学が中止になり、オンライン見学会をした。IT技術発達の実感とグローバル化を実感した。

☆ヤクルトの概要:代田稔氏により、1930年に予防医学、健腸長寿、手ごろな価格で、シロタ株を使って商品化。1964年台湾から海外進出39ヶ国になった。プロバイオティクスとは、腸内細菌の増殖活性化をさせて整腸作用と免疫力向上して体調保全をして健康を増殖する。オリゴ糖や食物繊維などの腸内細菌のエサを供給するプレバイオティクスもある。 

☆オーストラリアは、国土が日本の20倍。進出して27年目で近隣の人々の見学会を行っていた。コロナ下で全土に普及するために構築した。約40名の工場従業員の出身国14ヶ国で多様性があるが、会社の方向性を示し、色々な考慮している。国土が広いために賞味期間が45日と長く、4℃冷蔵の物流を考慮している。陸送(約3600km、日本―ベトナムの距離)、海送(タスマニア島約1000km)空輸(ニュージランド2600km)。ヤクルトは、広報に力を得ており、社会的な貢献プロスポーツ協賛、国際会議、シンポジウム協賛、試飲会、TV・雑誌) を行っている。ヤクルトの認知度約94%でオバケ商品である。進出した理由は、州政府の積極的な誘致、原材料の調達拠点(酪農大国)、物流拠点(国内外)。販売実績約28万本/日(2020年)

☆マレーシアは、2002年に進出した。国の概略は、気温27~33度で、人口約3240万人(2010年)33平方キロ(日本の約87%)で、マレー系(約68%、イスラム教、マレー語)、中国系(約22%、仏教華人系言語)、インド系(約8%ヒンドゥー語、タミール語)、先住民(約2%、キリスト教)主な産業電機・電子、パーム油、ゴム天然ガスなどである。商品はハラル(神に許可された)、HACCP対応。社員教育は1週間で更新する。ハラルの制限があるが、現地で対応可能。中東にも輸出している。ヤクルトの生産能力(約173万本/日)。売れる環境作りにのマーケティング⇒民族別、地域別⇒ストリー性、プロセス促進⇒オフ・オンラインなど。ヤクルト1本あたり300億個菌数がいる。 

製造工程・・・元菌は2年毎日本から送られて、現地で脱脂粉乳+シロップ+αで濃縮菌液(濃縮液体)、殺菌水で希釈し、充填する。微生物の菌数測定、品質管理実施。4℃で保管物流する。
会員からの質問

 プラステック容器・・・リサイクルと代替え品の課題がある。

 コロナ対応・・・見学会の中止でオンライン工場見学を実施

 タンク洗浄・・・自動洗浄後、人により確認し、人手で洗浄し蒸気殺菌する。

 販売促進・・・子供と大人に広報 予防医学的な訴求 目標は全国民

 健康訴求・・・それぞれの国別でヘスルクレーム(健康促進) 国との取り組みを重視する。所得があがると健康志向になる。

 ヤクルト商品・・・生菌を使い健康食品的な訴求になる。所得レベルで違う

         ・・・タイ、マレーシア、オーストラリアでは整腸作用、便秘対策      

         ・・・フィリピン、カンボジア、ミヤンマーは、整腸作用、下痢対策

         ・・・糖分の少ないライトも売られている。

 オーストラリア・・・ヤクルト約70円/本、所得が高い。最低1500円/時 

マックでも。最低2000円か日本では約40円/本。最低賃金1000円以下/時  ここまで落ちた国別格差 

 感想:日本では考えられない宗教、人種等の多様性やグローバル化、コロナで増々オンライン対応・IT化を考えさせられた。

安部2次内閣首相の8年前就任で、IT化対応をやると言った。コロナで保健所FAX対応で露見し、世界とは2周遅れか。食品関係者として、ヤクルトはバケモノ商品でうらやましい限り。 文責 鈴木修武以上 

生命の目(アネモネ?)
ヒメリュウキンカ

9月度食品技術士センターのオンライン講演会の概要と感想

 演題1

 地域素材を活用可能な異分野技術を導入した水産加工技術の開発

 ~魚醤油への醸造技術的アプローチ~

 (地独)北海道立総合研究機構 食品加工研究センター 吉川修司氏

 講演内容・・・・1.魚醤油に醸造技術や関連技術(発酵管理、精製技術など)を導入することで、においの改質、うま味の強化、オリの発生抑制などの品質を向上されることが可能であった。

 魚醤油とは、塩漬けした魚介類を長期間発酵後、ろ過した調味料 起源はタイのナンプラー、ベトナムのニョクマムなどがあり、世界中の約4億人が主な調味料として活用。品質上の課題は、魚臭さ、うま味が不十分、色調が濃い、酸化褐変がる。・北海道では個性豊かな魚醤油ができているが、コスト高や低利用、未利用資源が多く、低原料コストと味の多様化が可能。・魚醤油製造に発酵技術を導入した。シロザケを原料として麹、耐熱性種菌、酵母2種、乳酸菌1種を入れて混合攪拌した。加熱熟成(35~40℃前後3ケ月)を圧搾し、火入れ(85~90℃30分)、ろ過し、オリ発酵魚醤油を製造。この商品は、従来の魚醤油より遊離アミノ酸が多く生産できた。また、香りは、添加した酵母より出て芳香も良く、還元糖も少なく淡色化になった。限られた設備を工夫して、産膜酵母も表面フィルムを使い、土日も休めるように改良した。北海道は寒い土地であるために断熱材が手に入り易く、この材を使い、施設投資も既存設備を使った。量産技術の支援は、水分塩分のバランスをエクセルで計算して仕込みをした。麹状況を見込み、乾燥麹には水戻しをした。オリ下げもろ過も改良した。業務用魚醤油の開発で、高価格、高塩分、濃い色調を改良し、輸入品に対抗可能な製造技術を開発した。新製法は、酵素(プロテアーゼ)を利用し(55~60℃・4hr)、酵母、グルコースを添加し、35℃4週間で、行った。圧搾、火入れ、ろ過精製して低コストの製品を作った。企業で実証試験をして、既存設備でコストを2割削減可能になった。
 2.構築した製造技術を複数企業に効率よく伝え、用途の拡大を促すには、企業の組織化が有効であった。・・・道内の製造会社組合を作り、研修会などを開き、企業の組織化を行い、製品に漁醤油を使って、横展開を展開中。
感想・・・県内の漁港でコンサルしたことがあるが、9割の安い輸入魚醤油に対抗できず、企画段階で終わった。30年前にドレッシング類を作り、0.1%程度で特徴のある味になったが、当時は魚臭が強く、添加量はこの程度であった。量産できれば面白い商材である。道内で横展開できるのは、販売には好都合である。なかなか工夫している。将来を注目したい。 

演題2

 清酒に含まれるオリゴ糖について

 東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 徳岡 昌文氏 
 清酒醸造における糖化と糖転移は、米を糖化し、グルコースになり、アルコール発酵をして清酒になる。その工程で、配糖体やオリゴ糖ができる。1954年に

ASO氏らが、全糖4.54%で、グルコース3.68%、重合度2が、0.49%、重合度3が、0.46%、重合度4以上が、0.20%の報告がある。そこで、以下の報告をする。 1.清酒中のオリゴ糖の分析と構造解析
 清酒中のオリゴ糖の全体像の理解と重合度を測定した。親水性相互作用クロマトグラフィー-飛行時間型質量分析計を使い、アミノカラムで重合度を分析し、ジオールカラムで異性体を分析した。その結果、清酒には重合度18までのオリゴ糖が存在する。6種類の清酒中のオリゴ糖の分析をした。その結果、市販清酒のオリゴ糖は含有量(ppm)では、グルコース平均21317ppmsw最高33600最低10400ppmあり、オリゴ糖は2~8重合度があり、9重合度以上もあり、重合度が増えると含有量が少なくなった。さらに分析した結果、重合度の5~12もあり、多様な重合度と異性体で構成されていた。オリゴ糖の精製も行い、構造も決定した。オリゴ糖は、α-1,6結合とα-1,4結合がある。
   2. 清酒中のオリゴ糖の生成メカニズムの推定

市販清酒16種類における各オリゴ糖のハラツキは、DP6-1(重合度6)では少なく、DP6-2(重合度6)では大きく、DP7-1(重合度7)では少なく、DP8-1及び2(重合度8)でも多かった。

   3. 清酒中のオリゴ糖の生成する新規配当体・・あまりに複雑で省略する。

会員からの質問・・糖質0があるが、清酒に酵素材を入れて分解しており、分析では糖質0であるが、重合度が6では分解していない。

質問2・・・オリゴ糖の多少で差別化できないか。精製をして、各区分の官能試験用に精製中である。量が少ないので精製が大変。できれば、大量にほしく

オリゴ糖の混合物でコクミが違うか詰めている。

質問3・・・清酒の多様性でオリゴ糖によるマスキング効果やコクミがなにか。この視点で実験をやっていない。

質問4・・・オリゴ糖の役割で、味のコクミや複雑性が起こっているのではないか。・・・実験をして実証をしたい。

 感想・・・50年前に、澱粉からオリゴ糖の分解精製に興味があり、調べたがメカニズムや商品化には難しかった。現在、色々な製品のオリゴ糖の機能性があり、未知の世界である。清酒でも分析しており面白かった。分析して、差別化し他の酒類と差別化できれば面白いか。

お店の看板
西伊豆の夕日

8月食品技術士センターのオンライン講演会の概要と感想

食品技術士センターのオンライン講演会の要旨と感想

 演題1

酒粕・酒粕由来ペプチド食品の新規機能性」堤浩子(技術士生物工学部門)月桂冠株式会社 醸造部 生産技術課 課長

 酒の製造工程から出る副産物の利用研究。

 酒粕・酒粕由来のペプチドは、副産物の利用で色々な効果があった。-コレステロール低減、アルコール吸収抑制など。乳酸菌発酵粕の効果は、菌による作用で抗アレルギー、体重増加、中性脂肪抑制などがあった。酒粕ペプチドの効果は、抗酸化活性、肝脂肪障害保護、動脈硬化予防、血圧上昇抑制があった。

 酒粕の機能性は、イメージ調査で、健康に良い、体が温まる、美容に良いなどを、短期や長期試験をした。冷え性のある男女7名で、8週間10g(39/日):1日三回摂取。手指の体温の回復が早まった傾向や筋肉量および基礎代謝の増加傾向があった。

酒粕を市販プロテアーゼ酵素処理し、ペプチドを製造した。血圧上昇抑制、抗酸化活性、ラットを用いて高脂肪食の肝脂肪蓄積抑制をした。

 甘酒の機能性

 甘酒は、酒粕タイプと米麹甘酒タイプの2種類ある。米麹甘酒の美肌効果を紹介する。女子大学との共同研究で、米麹甘酒ではビフィズス菌増殖で腸内細菌叢の改善、貧血の改善などが、美肌効果に繋がったと思われる。

 筆者の感想----商品開発は、基本的なデータも必要であるが、消費者の実感感覚で商品が売れるので、それをどのように広告するか大切である。研究と商品開発の難しさも質問された。

 

演題2

緑茶市場を活性化させる特定保健用食品、機能性表示食品の開発

志田光正 株式会社伊藤園 マーケティング本部 本部長

 伊藤園は、19668月創業の会社で、売上高約4400億強、営業利益70億である。196拠点で営業展開し、お客様からの声で商品開発を行い営業につなげている。パック茶からスタートしたが、ウーロン茶や缶入り緑茶を販売し、無糖飲料会社になった。無糖飲料の比率は1980年に1%であったものが、2020年には53%と半数を超える無糖飲料になった。コンセプトは、自然、健康、安全、良いデザイン、おいしいの5つであり、この伝統を守り、受け継がれている。

 

 世界的には、茶の生産量は、約47%増加しているが、日本茶は、生産量や生産農家が減少している。当社は、茶業地域育成事業を通じて、日本茶の再成長、安定供給を図っている。農家とは全量買い付けもし、育成指導もしている。

カテキンなどの緑茶成分の健康創造企業として企業活動。

中央研究所を核とし、助成等で商品化を勧め活動や健康フォーラム開催による情報発信、体験の場を提供している。

カテキンで体脂肪を減らす緑茶製品を上市したし、20202500万ケース、70%以上増加した。

 緑茶中のテアニンに着目し、軽度認知症障害と向き合い、国内メーカーと業務提携した。また、島津製作所などと共同開発して認知症予防効果を実験して、2022年には発表予定である。

4C(共創、通貨、共同活性化、カンバセーション)を目指しマーケティング活動、認知症サポーター要請活動、ティーテイスター制度を通じた健康創造活動を行っている。 

感想:静岡出身者として、静岡県の茶の生産量が、鹿児島県に抜かれてショックを受けた。カテキン、テアニンは学生時代に学んだ単語で会社が発展して、茶業界に貢献してほしい。

静岡・浜名湖の鳥居と月
静岡浜名湖 鳥居と人物

食品化学新聞への投稿記事

日本の一次産業への提言です。
こんな世界になればいいかな・・一部では進行中です。
皆様、どのように思われますかPDFファイルを表示

7月度食品技術士センターのオイライン講演会の概要と感想

食品技術士センターの講演会の要点を記載する。

☆酵素の食品利用と応用 天野エンザイム マーケティング部長 豊増敏久氏

 日本を代表する酵素メーカーで、売上高253億円で、主にアミラーゼ、グルコアミラーゼ、トランスグルタミナーゼなどである。

日本は、失活していれば、酵素表示が義務化されていないが、最近は積極的に表示するようになった。隠れた食品加工の主役である。酵素の表示は世界では、各国千差万別で、遺伝子組み換えも50品目許可されている。酵素の応用例は、プロティアーゼ、ペプチターゼは、肉エキスの製造に使い、歩留まり向上、エキス収率向上、旨味向上や風味改善に使われる。興味あった事例は、卵黄の耐熱性向上で65℃以上になっても加熱凝固しないので殺菌ができる。トランスグルタミラーゼは、身近な例では、麺や魚肉の食感改良で多分皆様が味わっていると思う。ヨーグルトや肉の離水防止に使用。油脂への応用は、パーム油からカカオ代用油脂(チョコレートの代用品)で、リパーゼを使って加水分解やエステル交換、合成をし、融点を調整している。グライコトランスフェラーゼは、米飯への応用例で、澱粉の老化防止をし、賞味期間の延長をしている。低糖・糖ゼロのビール系飲料として、各種酵素を使って発酵中に糖を食べて、目的を達成している。小麦粉製品への応用利用例は、ヘミセルラーゼが、使われ、パンの容積向上、キメの細やかの向上になる。身近な話題もあり、大変勉強になった。

MALDI-TOF MSによる食品分野の微生物迅速同定法の現状および微生物リスク情報の入手

NITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)川崎浩子氏

MALDI-TOF MSの原理は、2002年にノーベル賞を貰った島津製作所の田中氏の応用例である。微生物の迅速測定法で遺伝子解析に比べて少量のサンプルで、迅速かつ簡便で、装置があれば、1検体100円程度である。医療機関や食品業界の品質管理に適用される。

NITEHPより)。微生物は株ごとに蛋白質が異なり、この蛋白質の違いにより株の同定ができる。装置は2台あり、機種により使い分けている。乳酸菌のライブラリーの提供できる。

例えば、セレウス菌(9種類)の食品の食中毒の発生微生物で、ゲノムのリボゾームの蛋白質が違うことを利用して分類している。判定は、緑色(75100%)、黄色、赤色など装置のソフトで示唆してくれる。詳しくは、NITEHPを参照。

2講演はわかりやすく先端技術を垣間で大いに刺激になった。(

文責 鈴木修武)以上

 

健康オタクになろうかなれないか

高齢者になって久しい。健康には気を付けているが体のアチコチにガタが来ている。便利な世の中になった。オンラインの「公開医学講座」湘南鎌倉総合病院に応募した。講座名は、「健康づくりのキーワード「未病」について考える」。最先端の情報をしかも無料である。「人間ドックのご紹介」は、機械の不具合と不慣れで聞けず。次に「PET/CT検診のご紹介」予防医学センター長:中島先生。PET/CTは、多分シーメンス社製で、PETCTが同時に計れる。今までは、別々であったので、調整に難しかった。昔、3回手術をしたので関心がある。PETの原理は、がんは細胞の活性が激しいのでラベルされたブドウ糖が、がんに集まるのでこの現象を利用する。全身測定で出来る。検診する人は、50歳以上、喫煙した人及びその家族など、家族にがんの歴がある人、以前がんになった人である。この中で23該当する。大方の人達はそうか。健康オタクではないが、関心はある。自分の人生観と同じで自分の人生をデザインするのに利用すること。「再生医学の健康医学への応用」同センター未病診療科部長 浅原先生は、難しすぎてパス。「がん体験からのアドボカシー活動」患者さんの立場から 乳がん体験者 緒方氏。患者の立場からがんになってわかったこと。治療すると日常生活に不都合が起こる。例えば、ボタンが掛けられない、腕が上がらない、爪がボロボロ、シールがはがせない、集中力がなく同時に考えられない、動作に時間がかかる等である。化粧品会社に勤めたので、顔からからだまで一本ですむ化粧品を販売する会社を作り、利益をある団体に寄付する。容器もユニバーサルデザインされている。これらを聴講した結果、健康オタクになろうか迷った。今のところ心配がないが情報だけは集めよう。必要に迫られないと情報が集まらないか。必要に迫られないのが一番であるか。写真を整理して、菩薩?、泡と鯉、ハギとお堂を選んだ。そのこころは、菩薩のような気持になる。泡があるので泡を食わない? 究極はお寺に行くか・・と思った。皆様参考になりましたか。

 

 

 

食品開発展で無料相談を行いました。

「食品開発展」一般社団法人 日本技術士会:登録グループ・食品技術士センターで無料相談を行いました。

今日、だれでもどこでもサラダ菜栽培方法の講習会をした。

手軽にできるサラダ菜の講習会を開きました。
栽培グッツ一式(培養土、肥料、種、ポット等)を使って、
マニュアルに従って、サラダ菜を作った。20日後には、食べれるか。簡単な栽培方法と用土・肥料などのファイルを付加しました。 培養土の各社で多く出しているので割愛しました。 PDFファイルを表示

第2回 だれでもどこでもサラダ菜

前回
好評につき第2回を開いた。今回は、ミニトマト、キュウリなどの栽培方法です。
ミニトマトは、種を蒔いて育てるより、1本苗を買って、脇芽を指して育てる
ことを勧めた。脇芽を取ることも推奨した。
キュウリは、花は7から8芽をとることは木を守ることになる。
次回は予定はコロナの感染防止で未定になった。
インゲンの栽培状況 花が咲く

散歩道にアジサイ、ホタルブクロが咲きました。

コロナ下であまりと遠くに行けないので近くの平戸永谷川を散歩した。アジサイがボチボチ咲き始めた。魚釣りもした。アブラハヤとムツゴも釣れた。
アジサイ
アジサイ
ホタルグクロ

私が、開発した小型搾油器の紹介(現在発売中止中)

「油の絵本」農文協で記載されている小型搾油器です。 PDFファイルを表示
 写真参照 上 小型搾油器 下 油の絵本
小型搾油器を用いた搾り方ファイル PDFファイルを表示
小型搾油器
油の絵本(農文協)

ボカシ肥料の作り方

ボカシ肥料をマンションの事務所で挑戦した。15ℓのポリバケツ容器に菜種粕3kg、米ぬか200gバイムフード(世界の酵素社)60g水1㎏を入れて均一にする。水分含量2436%適当である。2月では温度不足で1ℓのペットボトルにお湯を入れて、さらに使い捨てカイロを2個使った。温度を測定すれば、40~45℃になり発酵は順調である。毎日3日間切り返し、酸素を供給した。(詳細は別紙PDF参照)

PDFファイルを表示
バイムフードでボカシ肥料作成

カルガモの親子とコイ

食用油・廃油を使った湯を沸かす実験

地震や災害の非常時にお湯をかわす方法を紹介する。 PDFファイルを表示

簡単なペーパークロマトによるボカシ肥料、グルタミン酸ナトリウム、調味料の定性試験

ボカシ肥料を作る時に、ナタネ粕が、微生物や菌類による発酵が起こり、23日で、アミノ酸やペプチドになり、ボカシ肥料ができる。この発酵の腐熟度を測定する方法を試験した。一応、身近に手に入る簡単な器具で測定できる。そこで、食品の調味料のアミノ酸やペプチド等の多いか少ないか定性か・定量は出来ないか実験し、成功した。
実験方法は、産総研の「ドリームラボ科学実験コーナー」を参考にした。ボカシ肥料で試験した結果をPDFファイルで報告する。用意するもの:100円ショップで購入:コーヒーのフィルター(白) 数枚、透明のコップ 1個、使っていない割りばし 1膳、ハサミ、水少々、ニンヒドリン反応実験キット(㈱少年写真新聞社 通販で購入可。

実験方法:展開までは産総研の「ドリームラボ科学実験コーナー」参照

展開後、ペーパークロマトを取り出し、風乾や電気ドライヤーで乾燥する。その後、ニンヒドリン溶液で発色する。

その試験結果。写真参照

写真1 展開中 

写真2 ボカシ肥料の結果 発酵の日数 濃さが違う(PDFファイル参照)

    ナタネ粕が発酵により分解して、低分子のペプチド、アミノ酸

    が出来て発色する度合いが違う。 

写真3 グルタミン酸ナトリウムの濃度別 発色度合 市販の通称:味の素 0.0010.05% 濃度順で発色度 違う

写真4調味料   しょうゆ(蛋白量8.3%)、調理酒(蛋白量1.5%)、酢(蛋白量0.3%)、本みりん(蛋白量0.0%)の発色度合

調味料のペプチド、アミノ酸などにより違う。すなわち、旨味の多さが違う。10倍希釈して味わってみると良くわかるか  以下ボカシ肥料でのペークロ試験
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水によるペーパークロマト
ボカシ肥料 cコントロール Bボカシ肥料
グルタミン酸ナトリウムの濃度別発色度
調味料の発色度(蛋白量で発色度違う)

紫キャベツのPHによる色素の変化

紫のキャベツを加水・粉砕して、抽出液をろ過後、食酢とカセイソーダでpHを変化された。写真参照。
左から赤PH3・紫PH6(原液)青紫(PH8)、緑(PH10)、黄緑(PH11)きれいに変色しました。他に紫ブドウ、紫カタバミも
変化しました。実験方法のファイルです。
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食品技術士センターのオンライン講習会の感想と要旨

仕事仲間の勉強会で、センターのHP参照講演を聴講したので感想を書く。

 オリ・パラや時代の流れで、HACCPは、法律で義務化された。中小の食品企業や個人経営の飲食店の困惑が目に浮かぶ。これらの企業は、対応を迫られており、現場から悲鳴が上がっている。コロナで経営が危ぶまれるのでそれどころではないか。30年前にドレシングの製造の責任者をやっており、一般生菌数、大腸菌、カビ酵母の真菌類の測定をやり、微生物測定の苦労を味わった。サンプリング、希釈、攪拌粉砕、培養、菌数測定などは、1日準備や2日の培養、測定は苦労した。ベテランや初心者など測定のバラツキがあり教育も大切であった。インターサイエンスの食品微生物検査の機械装置で一貫測定ができる。価格は300~3000強円であり、中小企業ではとても買える価格ではない。しかし、コロナ対応や人手不足には良い装置である。

 正しいHACCPを考える。・・3年前にEUの現状と問題点を聞いたので非常に勉強になった。大手・中堅企業は対応に苦労しないが、中小企業の悲鳴が聞こえる。仲間より現場の実情もわかり、議論した。

指導監督は、保健所(?)であるが、コロナ対応でほぼ相談できないか。民間企業は、自己管理を行う必要があり、HACCPの考え方で対応が違う。まずは普及や啓蒙が必要である。オリ・パラなどグローバル化で国際対応を迫られる。前向きに対応して生き残らなければならいか。正直な感想である。勉強会の講演要旨より食品技術士センターHPを参照。

食品技術士センターの令和4年3月のオンライン講義:概要と感想                  「ア

 講師紹介 味の素㈱ アミノ酸関係を担当

  1. アミノ酸の機能

20種類のタンパク質構成アミノ酸+タンパク質をしない構成アミノ酸

核酸⇒ペプチド タンパク質

 神経伝達、ホルモン、サイトカイニン、構造形成、消化・代謝酵素等機能、エネルギー産生、生体制御、輸送がある。

  1. アミノ酸の構造 

 α、β、γ-アミノ酸がある。また、L及びD体のアミノ酸がある

3.各種アミノ酸の等電点と疎水性

  アミノ酸により水への溶解性、安定性がある。タンパク質内部の構造を形成する。アミノ酸によりうま味、酸味、甘み、苦味がある。各アミノ酸をマップがある。(一部省略)

  1. アミノ酸の工業的な製法の変遷

 1.抽出法  ・天然物からの抽出・タンパク質の加水分解

 2.化学合成 DL L体の結晶による光学分離・+酵素反応による光学分離

 3.アミノ酸を生産する微生物の育種、培養 

   私が、50年前に大学で講義されて非常に興味深かった。

  1. グルタミン酸ナトリウムの抽出法による工業生産(19091960

池田博士と味の素 鈴木三郎助よる工業的な生産される

小麦グルテン+脱脂大豆⇒塩酸加水分解⇒ろ過 ⇒グルタミン酸塩酸塩結晶分離⇒中和⇒グルタミン酸結晶晶析分離⇒活性炭素脱色・濃縮

⇒グルタミン酸Na結晶  合成法など一部 省略

  1. 発酵法

グルタミン酸生産菌の発見(1956) 協和発酵工業 木下祝郎ら

  図など一部省略 以下35枚の省略

50年前の学生時代には、抽出法から発酵法への転換は驚きであった。

  図を省略 グルタミン酸の発酵の新規代謝や発酵効率など

 

  1. アミノ酸の分離精製技術

・電気的な性質の利用:イオン交換樹脂、膜

・分子の3次元構造の利用:結晶化(晶析)の利用

・分子量の差(分離膜)利用

・疎水性の差(合成吸着樹脂)の利用

  1. イオン交換を用いたプロセス例;飼料用リジン

  殺菌後、リジン発酵液⇒菌体膜(MF)分離⇒陽イオン交換樹脂⇒

濃縮⇒PH調整 リジンのHCL化(塩酸処理)⇒リジン塩酸塩2水和物結晶⇒乾燥⇒塩酸塩無水物

  1. 結晶化(晶析)

・アミノ酸の製品形態が結晶である意味

   ⇒保存安定性   ⇒高純度の証明

・アミノ酸結晶の特徴

  分子結晶:アミノ分子が3次元的に規則的配列

  溶液の成長;融液、気相成長はなく、大部分が水溶液の溶液成長

  結晶多形:同じ分子が配列しても、別の配列のの仕方を形成、溶液度が異なり、転移が起こる

  水和物結晶;結晶中の溶媒成分(主に水)を含む結晶が多い。結晶水が多い

  ・アミノ酸結晶を形成する力

  1. グルタミン酸Na分離精製の一例(図省略)
  2. L-グルタミン酸NaH2Oの外形と面指数  以下数枚省略
  3. 新時代のグルタミン酸製法

   グルタミン酸発酵は、PH7.0で行っていたが、発酵液に酸を入れてPH3.2として結晶を取得⇒酸性で実施できれば、結晶の酸が無駄にならない

   新菌の条件:低PHで生育可能 グルタミン酸濃度に耐性がある

     ⇒静岡県の茶畑土壌から採取  

   分子育種;各種条件 省略。この菌でアンモニア量を40%、酸の量を80%まで低減

  1. まとめ

・分子の構造の差を利用する:分析化学と表裏一体

・安全性を決定;菌体タンパク質(アレルゲン)、ペプチドグルカン(発熱)、DNA、変異現性物質、その他の不純物

・環境負荷を決定:殺菌、濃縮エネルギー、排水処理、菌体等副生物処理

・競争力を決定:使いやすさ、、効能(医薬の場合)溶解性、保全性、粉体特性、造粒性、均一混合性

・コストを決定:培養より機器点数が多く、単位操作の種類が多い、高付加価値部分を扱う

 ⇒分離精製技術はバイオ製品の競争力の源泉

  分離精製技術者は生産プロセス全体観を養うことができる

・分離精製技術の将来⇒ますます重要度増大⇒スマート分離精製技術の進化   一部省略  以上

 

感想:アミノ酸の精製技術を垣間見た。日本のアミノ酸業や食品産業の技術の大切さがわかった。50年前アミノ酸は抽出から発酵法になり、アミノ産業は日本の食品・医薬品等の競争力を感じた。だが、現在は海外に生産現場は移っていることは残念である。以上

 

                

 

 

 

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